TechPowerUpは2026年9月23日、GPU情報・監視ツール「GPU-Z 2.71.0」を公開しました。今回の更新では、GeForce RTX 50シリーズでGPUのホットスポット温度を読み取れるようになり、さらに最も高温になっているメモリチップの温度も表示できるようになりました。RTX 50シリーズの温度挙動を確認したいユーザーにとって、平均的なGPU温度だけでは見えなかった局所的な高温を把握しやすくなる更新です。
TechPowerUpの公式配布ページでは、GPU-Z 2.71.0の公開日を2026年9月23日と案内しています。標準版のファイル名はGPU-Z.2.71.0.exe、容量は11.9MBで、SHA-256ハッシュも公開されています。更新前に入手元とバージョンを確認したい場合は、公式ページのハッシュと照合できます。
RTX 50シリーズの温度監視
2.71.0で目立つ変更は、GeForce 50向けのホットスポット温度センサー追加です。公式変更履歴によると、GPUのHot Spotに加え、最も高温なメモリチップを報告し、ツールチップでは各メモリチップの温度も確認できるようになりました。
従来の「GPU Temperature」はGPU全体の代表値として便利ですが、ホットスポットはダイ上の高温箇所を追う指標です。同じGPU温度でも、冷却器の接触状態、ファン制御、ケース内の吸排気などによって局所的な温度差が変わることがあります。メモリ側も最高温度を確認できれば、GPUコアだけを見て冷却状態を判断するより情報量が増えます。
ただし、ホットスポット温度が高いだけで故障や不良を断定することはできません。室温、カードの設計、消費電力、ファン回転数、負荷内容によって温度は変わります。異常を疑う場合は、アイドル時とゲーム時を分け、同じ条件で時間をそろえて記録する方が比較しやすくなります。
NVIDIA向け監視項目の追加
GPU-Z 2.71.0では、NVIDIA GPU向けの詳細項目も増えました。Advancedタブにはオーバークロック情報の表示が追加され、OC時の周波数に加えてXBAR、SYS、Video Clock、Boost Lockの状態を確認できます。また、NVIDIAのSYS、L2、Videoクロックをセンサーとして読み取れるようになりました。これらは初期状態では無効で、必要なユーザーがセンサー設定から有効にする形式です。
さらに、PCI Expressの帯域スループットをGB/sで表示するセンサーも追加されています。リンクがPCIe x16で接続されているかという静的な情報だけでなく、実際の処理中にどれだけ転送しているかを観察する用途に使えます。ゲームやGPU計算で挙動を調べる際、GPU使用率やクロックと合わせて記録すると、どの場面で転送量が増えているかを追いやすくなります。
センサーをログファイルへ記録していない場合、その項目のドロップダウン矢印をグレー表示するUI変更も含まれます。多数のセンサーを並べて長時間ログを取るユーザーにとって、記録対象と非対象を見分けやすくする変更です。
新規GPUとプラットフォーム対応
変更履歴では、複数の未登録・新規デバイスへの対応も案内されています。NVIDIA関連ではRTX 5060のGB205版、RTX 4070 10GB、RTX PRO 4500 Blackwell Server、H100 PCIeの別バリアント、Tesla V100-SXM2-16GBの別バリアントなどが追加対象です。
AMDではSteam Machine GPUとRadeon PRO V710の別バリアント、IntelではPanther Lake、Lunar Lake、複数のArrow Lake HやTwin Lake、QualcommではSnapdragon X2系が追加されています。GPU-ZはGeForce専用ではないため、2.71.0はPC向けGPUだけでなく統合GPUやSoCを含む識別情報も広げた更新になっています。
一方、「RTX 4070 10GBへの対応」はGPU-Zがデバイス識別情報を持つようになったことを示すもので、それだけでNVIDIAが新製品として発売を正式発表したことにはなりません。製品の販売予定や仕様を判断する場合は、GPU-Zの対応リストとメーカー発表を分けて扱う必要があります。
既存環境での修正点
今回の更新は新機能だけではありません。NVIDIA GP102のトランジスタ数表示、Intel Meteor LakeとArrow LakeのLPDDR5X検出、Alder LakeのLPDDR5周波数、一部DDR5環境のメモリ帯域表示、Qualcomm Adreno 726のユニット数などが修正されています。
GPU-Zをハードウェア確認の記録に使っている場合、古いバージョンのスクリーンショットと2.71.0の表示が変わる可能性があります。特にメモリ種別や帯域のような項目は、更新後に値が変わってもハードウェアそのものが変更されたわけではなく、検出ロジックの修正によるケースがあります。
RTX 50で使うときの確認手順
温度監視を目的に更新する場合は、まず公式配布ページから2.71.0を入手し、SensorsタブでGPU TemperatureとHot Spot、メモリ温度関連の項目を確認します。ゲーム開始前のアイドル値を記録し、その後に普段遊ぶゲームを同じ設定で動かすと比較しやすくなります。
温度だけでなく、GPU Clock、Memory Clock、Fan Speed、Board Power Drawなども同時に見ると、負荷の変化と温度上昇の関係を整理できます。RTX 5080の冷却条件を確認したい場合はRTX 5080の温度と冷却、RTX 5070 TiではRTX 5070 Tiの温度解説も合わせて確認できます。
まとめ
GPU-Z 2.71.0は、GeForce RTX 50シリーズのホットスポットとメモリチップ温度を確認できるようにし、NVIDIA向けのクロック・PCIe帯域監視も拡張しました。温度トラブルの診断やOC状態の確認で、従来より細かいデータを取得できます。
更新時はTechPowerUpの公式配布ページから入手し、必要に応じて公開ハッシュを確認してください。温度の数字は単独で異常判定に使わず、室温、ファン回転数、消費電力、同一負荷での推移をセットで比較するのが実用的です。
