Intel Arc A580搭載カードのサイズは、GPU共通ではありません。国内で見かけるASRock Challenger 8GB OCは長さ271mm、Sparkle ORC OC Editionは222mmです。同じA580でも49mmの差があり、厚さと高さも異なります。

ケース互換を確認するときは、メーカーが示す「VGA最大長」だけでなく、前面ファンやラジエーター、隣接スロット、補助電源ケーブルの空間まで測ります。二つの代表製品を基準に、確認手順を整理します。

A580搭載カードの寸法比較

ASRockの公式仕様Sparkleの公式仕様書に記載された寸法は次のとおりです。

製品 長さ 高さ 厚さ スロット 重量
ASRock Challenger 8GB OC 271mm 132mm 48mm 2.4 785g
Sparkle ORC OC Edition 222mm 101mm 40.9mm 2.2 742g

ASRockは長く、高さも31mm大きいカードです。Sparkleは短く低いため、Micro-ATXや一部の小型ケースへ収めやすい設計です。両製品とも2スロットを超え、2.2〜2.4スロット分の厚みがあります。

IntelはA580をASRock、GUNNIR、Sparkleなどのパートナー製品として発売しました。Intel共通仕様にカードの一律寸法はなく、別メーカーや別型番では長さ、クーラー、端子位置が変わります。購入ページの型番と公式寸法を照合してください。

長さのクリアランス

ケース仕様の「GPU最大長」は、前面ファン、ラジエーター、ドライブケージを取り付けた状態で短くなります。ASRockカードには実配置で271mm以上の空間が必要です。

例として、ケースが「GPU最大長300mm」としていても、前面へ厚さ27mmのラジエーターを追加すると、単純計算の残りは273mmです。271mmカードとの差は2mmしかなく、ファンガード、チューブ、組み付け誤差を吸収できません。この構成では、短いSparkle製品を選ぶか、ラジエーター位置を変更する方が現実的です。

実測はPCIeブラケットの内側を起点に、カード先端が向かう前方の最初の障害物まで行います。ケーブル、ファン枠、ラジエーターのネジ頭も障害物に含め、さらに着脱作業ができる数mm以上の余裕を残します。

高さと側面パネル

カードの高さは、マザーボードのPCIeスロット面から側面パネル方向の張り出しに関わります。ASRockは132mm、Sparkleは101mmです。ケースが狭い場合、カード本体は収まっても、上面の8ピン補助電源とケーブルの曲げ空間が不足することがあります。

A580の両カードは8ピン端子を2個使います。コネクターを挿した直後にケーブルを強く折ると、端子が斜めに引かれます。側面パネルとの間に、コネクターの高さと自然な曲げ半径を取れるか確認してください。ガラスパネルがケーブルを押す構成は避けます。

幅の狭いケースでは、CPUクーラーやサイドファンとの干渉も調べます。PCIeライザーで縦置きする場合は、側面パネルとGPUファンが近づきすぎないよう吸気空間を確保します。

厚さと拡張スロット

2.4スロットのASRockカードは、固定ブラケットが2段でも、クーラーが3段目側へ張り出します。2.2スロットのSparkleも、真下の拡張スロットを実用上ふさぐ可能性があります。

確認対象 干渉しやすい部分
Wi-Fi・サウンドカード GPU直下のPCIeスロット
キャプチャーカード クーラーとの物理干渉と吸気遮断
Micro-ATXケース 電源シュラウドとの隙間
Mini-ITXケース 底面ファン、ライザー、側面パネル
マザーボード SATA端子、USB 3ヘッダー、チップセットファン

カードが物理的に収まっても、ファンのすぐ下を別カードで塞ぐと冷却性能が落ちます。少なくとも吸気面へ空気が流れる間隔を取り、ケース前面または底面から新しい空気を送れる構成にします。

ケース内測定の手順

既存PCへ増設する場合は、電源を切りACケーブルを抜いてから次を測ります。

  1. 最上段のPCIe x16スロットから前方障害物までの長さを測ります。
  2. スロット中心から側面パネルまでの高さを測ります。
  3. GPU直下に空けられる拡張スロット数を数えます。
  4. 前面ラジエーター、ファン、ドライブケージを含む実配置を確認します。
  5. 8ピン2本のコネクターと曲げ空間を加えます。
  6. マザーボード上のヘッダーやSATAケーブルとの干渉を確認します。
  7. カードを入れる角度と手を入れる作業空間も確保します。

ケースとカードの仕様書で寸法の向きが異なることがあるため、「長さ×高さ×厚さ」の順序も確認します。基準にするのは、カードメーカーが示す正確なミリ表記です。

冷却と重量への対応

A580のTBPは185Wです。カード周囲に空間があっても、密閉度の高いケースや吸気不足ではGPU温度とファン回転数が上がります。前面吸気と背面排気を基本に、ケーブルをファン前から避けます。装着後はゲームを一定時間動かし、温度、クロック、ファン音が安定するか確認してください。

重量はASRockが785g、Sparkleが742gで、差は43gです。極端に重いカードではありませんが、輸送時の衝撃やスロットのたわみを避けるため、ブラケットのネジを確実に固定します。ケースを頻繁に移動する場合はカードを取り外すか、内部を支えて運びます。

電源ケーブルまで含めた装着方法はA580の補助電源ガイド、必要電源はA580の電源容量ガイドで確認できます。

製品別の選び方

ASRock Challengerは大型のデュアルファンクーラーと2.4スロット厚を許容できる一般的なミドルタワーに向きます。長さ271mmへ前方の余裕を加えられるかが確認点です。Sparkle ORCは222mmと短く、小型ケースや前面ラジエーターがある構成で候補になります。

騒音はファン径、ヒートシンク面積、ケースの風量、室温で変わります。寸法を満たしたうえで、同じ負荷条件の温度と騒音テストがあれば比較します。

まとめ

Intel Arc A580カードのサイズは製品で異なり、ASRock Challengerは271×132×48mm・2.4スロット、Sparkle ORCは222×101×40.9mm・2.2スロットです。A580というGPU名だけではケース互換を判断できません。

長さは前面ファンやラジエーターを含め、高さは8ピン2本のケーブル、厚さは隣接カードと吸気空間まで確認します。公式寸法を基に実際のケース内部を測り、装着と配線ができる余裕を残して製品を選んでください。