NVIDIA T600をCAD用に検討するなら、「認証済み」が指すソフト、OS、ドライバの組み合わせが鍵になります。T600はプロ向けグラフィックスカードとして設計され、SOLIDWORKSやFusionなどの検証記録が公開されています。認証表は組み合わせごとの履歴です。公開された条件と4GBメモリの意味を整理します。
T600のCAD向け仕様
NVIDIAのT600データシートは、GPUをTuring世代、640 CUDAコア、4GB GDDR6、最大160GB/sのメモリ帯域幅と記載します。PCI Express 3.0 x16のロープロファイル1スロットカードで、最大消費電力は40Wです。2D図面や比較的軽い3Dモデリングを小型ワークステーションで扱う、という製品の設計意図が見えます。
CADでは、ビューポートの回転やズームに必要な描画、モデルを保持するGPUメモリ、レンダリングや解析時の演算が別々の負荷になります。4GBのVRAMが十分な案件では、T600のコンパクトさと4画面出力を活かせます。大規模なアセンブリ、重いマテリアル、高解像度表示を複数併用する案件では、使うソフトが必要とするVRAM容量を先に判断したいところです。認証の有無だけで処理速度を推測することはできません。
T600の映像端子はMini DisplayPort 1.4が4基あります。図面、部品表、仕様書、ビデオ会議を別の画面へ置く設計作業では、GPU演算性能だけでなく表示可能な画面数も作業環境に影響します。ELSA製カードはMini DisplayPortからDisplayPortへの変換アダプターを4本付属していたので、標準DisplayPort入力のモニターを使う構成なら接続しやすい製品でした。
SOLIDWORKSの検証記録
富士通のISVアプリケーション動作検証情報(2023年8月版)には、CELSIUS W5012とNVIDIA T600の組み合わせで、SOLIDWORKSをWindows 10 64ビットとWindows 11 64ビットの両方で検証済みと記載されています。これは特定のワークステーション構成での動作検証です。新しいOS環境でT600を使うときの実例として参考になります。
NVIDIAのISV認証データベースにも、T600を含むSOLIDWORKS向けの認証組み合わせが掲載されています。たとえば公開一覧にはSOLIDWORKS 2022、Windows 10 64ビット、デスクトップ版T600、ドライバ472.98の組み合わせがあります。認証表を読む際の単位は「ソフトの版・OS・GPU・ドライバ」です。
| 公開元 | 確認できる組み合わせ | 記録の性質 |
|---|---|---|
| 富士通 | CELSIUS W5012、T600、SOLIDWORKS、Windows 10/11 | ワークステーションでの動作検証 |
| NVIDIA | SOLIDWORKS 2022、T600、Windows 10、指定ドライバ | ISV認証データベースの履歴 |
| Autodesk | Fusion 360 2.0.17721、T600、Windows 10、ドライバ517.40 | 認証ハードウェア一覧の履歴 |
Fusionと現在の要件
Autodeskの認証ハードウェア一覧には、デスクトップ版T600、Fusion 360の2.0.17721、Windows 10、ドライバ517.40という記録があります。これも過去の特定条件の検証です。Fusionの現行システム要件はソフト更新とともに変わるため、今使う版ではAutodeskの最新要件が購入判断の基準です。2026年10月に掲載された同要件は、プロ用途の離散GPUに8GB以上の専用メモリを挙げています。
T600の4GBは、その現在の8GB目安より小さい容量です。既にT600を持っている場合と、これからFusion向けに新規調達する場合では判断が変わります。前者は現在のプロジェクトが扱えるかを検証できます。後者では、使うモデルの大きさと新しい要件に合わせ、8GB以上の候補を検討するのが合理的です。
CAD用カードとしての選び分け
T600はロープロファイル1スロット、40W、4画面出力という制約の厳しい筐体に合う仕様です。2D図面、軽量な3Dモデル、複数画面のCAD作業で、過去の認証・検証例があることは安心材料になります。一方、現在のソフトが要求するVRAM容量や、レンダリングで必要なGPU性能は案件ごとに異なります。NVIDIA T1000 8GBは同じ小型系のカードで、8GB GDDR6、896 CUDAコアを備える比較対象です。
購入時には、使うCADソフトの版と必要メモリ、PCのOSと筐体サイズを一組として決めます。SOLIDWORKSの過去の検証記録はT600がCAD用として活用されてきた根拠ですが、現在の案件に適した構成は作業データ量で決まります。T600とT1000 8GBの仕様差は比較記事にまとめました。
