RTX Sparkを載せたSurface Laptop Ultraは、ローカルAIにもPCゲームにも使えるのでしょうか。2026年10月15日、複数の海外メディアが上位構成の実測結果を公開しました。AI処理では強みが見えた一方、ゲームではフレーム生成を使った表示枚数と操作への応答に差があります。測定条件をそろえて読むと、この新しいGPU基盤の得意分野がはっきりします。
実測されたSurface Laptop Ultraの構成
Microsoftの製品ページによると、Surface Laptop UltraはNVIDIAのRTX Spark Superchipを採用し、最大20コアのGrace CPUと最大128GBの統合メモリを組み合わせます。GPUはBlackwell世代です。今回のTom’s Hardwareの実測は20コアCPU、6,144 CUDAコア、128GBのLPDDR5Xメモリを備えた上位構成で行われました。
RTX SparkはCPUとGPUがメモリを共有する構成です。128GBという数字はGPU専用VRAMの容量ではなく、OSやアプリも使用する統合メモリの最大搭載量を示します。Windows Centralの実測では、128GB構成でGPUに標準で64GBが割り当てられ、設定で割当量を増やせると説明しています。大きなローカルモデルを扱う際は、このGPU割当が効きます。
| 検証項目 | 公開された結果 | 測定条件 |
|---|---|---|
| ローカルAI | AgentPerf-localのQwen 3.6 35B A3Bを8分で完了 | Tom’s Hardware、上位構成、llama.cpp使用 |
| ゲーム | Gears of War: E-Dayで平均77.7fps、1% Low 39.9fps | Tom’s Hardware、1908×1272のレンダリング解像度、高設定、Mega Geometryオン、MFG 2倍 |
| ゲーム | Control Resonantで平均109.2fps、1% Low 51.6fps | Tom’s Hardware、2560×1440のウィンドウ表示、高設定、DLSS Performance、RTオフ、MFG 3倍 |
| 動画書き出し | Premiere Pro BetaのH.264書き出しが42.0秒 | Windows Central、Procyon Video Editing v1.5のフルHD・GPU効果テスト |
表の数値はTom’s HardwareとWindows Centralがそれぞれ実機で測った値です。
ローカルAI処理で見えた強み
Tom’s Hardwareは、AIエージェントの処理を最後まで走らせるAgentPerf-localを使用しました。Qwen 3.6 35B A3BをQ4_K_Mで量子化し、MTPを有効にしたテストではSurface Laptop Ultraが8分、比較した14インチMacBook ProのM5 Maxが10分、Ryzen AI Halo搭載の小型デスクトップが13分です。推論バックエンドは各環境向けにビルドしたllama.cppを使用しています。Qwen 3.8 27Bの別のテストでも、同媒体はM5 Max搭載機よりSurface Laptop Ultraの完了時間が短かったと報告しました。このテストではSurfaceとMacがDFlash2、AMD機がモデル内蔵のMTPを使用しています。
この比較に使われたMacBook Proは14インチで96Wアダプター、Surface Laptop Ultraは15インチで140Wアダプターでした。HotHardwareの別の実測も、Procyonのテキスト生成でRTX Sparkの強さを報告しています。複数の独立テストが、ローカルAIを主用途とする製品設計を裏づけました。
ゲームは表示fpsと入力遅延をセットで評価
Tom’s HardwareのGears of War: E-Dayは平均77.7fpsでしたが、同時に記録した平均PC遅延は83.5msです。Control Resonantではフレーム生成3倍で平均109.2fpsに届く一方、平均PC遅延は78.3msでした。後者はレイトレーシングを切り、DLSS Performanceを利用した設定です。生成フレームを含む表示fpsと、操作に対する応答は別の数値として評価できます。
Windows Centralは別のゲームを試し、Cyberpunk 2077では1440pのレイトレーシング設定とフレーム生成で60fpsを維持したと報告しました。一方、Red Dead Redemption 2は初期のVulkan設定で起動せず、DirectX 12への変更で動作したとしています。ゲームごとに結果が分かれる背景には、Arm版Windows上で多くのx86ゲームがPrism変換を経由することもあります。ゲームを主目的に選ぶ場合は、動かしたい作品の実測値と起動状況が判断材料になります。
動画編集と発売時点の判断材料
Windows CentralのPremiere Pro Betaテストでは、Surface Laptop UltraのH.264書き出しは42.002秒でした。同じ表のRTX 5060搭載ノートPCは32.111秒で完了しています。同媒体はRTX Spark向け最適化を含むBeta版を使用しており、このフルHD・GPU効果テストではRTX 5060搭載機の方が約10秒早く処理を終えました。
Tom’s HardwareとWindows Centralの先行公開分は、RTX Sparkの処理性能が中心です。両媒体はSurface Laptop Ultra固有のバッテリー駆動時間や画面・筐体の詳細評価を今回の公開対象に含めていません。Microsoftの製品ページにある米国での開始価格は2,599.99ドル。一方、Tom’s Hardwareが実測した128GBメモリ・1TBストレージ構成の掲載価格は5,899ドルです。今回のAI実測と開始価格の対象構成には、大きな価格差があります。
まとめ
Surface Laptop Ultraの最初の独立実測では、RTX Sparkの上位構成がローカルAIの一連の処理を短時間で終える強みを示しました。ゲームは設定次第で動きますが、フレーム生成後のfpsと入力遅延を併せて読むと、ゲーム専用ノートPCとは選ぶ理由が異なります。大きなモデルを手元で動かす用途なら、RTX Sparkの128GB統合メモリで扱えるローカルLLMも確認できます。ゲームを中心に検討する場合は、Windows on Armでのゲーム対応へ進んでください。
