Radeon RX 5600 XTがケースに入るかは、GPU名だけでは判断できません。小さめの2ファン型と大型のGAMING Xでは、長さが約7cm違います。メーカーが公開する3製品の寸法を比べ、長さ・厚さ・高さ・補助電源ケーブルの余白をどう確認するか整理します。

RX 5600 XTの製品別寸法

MSI GAMING Xの仕様は297×58×140mm、SAPPHIRE PULSEの仕様は254×135×46.5mm、GIGABYTE WINDFORCE OCの仕様は228×118×40.8mmです。表は各社の公称寸法を長さ・高さ・厚さの順に揃えています。MSIの元の表記では中央の58mmが厚さです。

製品例 長さ 高さ 厚さ 補助電源
MSI GAMING X 297mm 140mm 58mm 8ピン×2
SAPPHIRE PULSE 254mm 135mm 46.5mm 8ピン×1
GIGABYTE WINDFORCE OC 228mm 118mm 40.8mm 8ピン×1

同じRX 5600 XTでも、最長のMSIと最短のGIGABYTEには69mmの差があります。ケースの対応GPU長が250mmなら、表中のGIGABYTEは数値上候補ですが、254mmのSAPPHIREと297mmのMSIは収まりません。GPU長の数字を比較する前に、中古商品の型番が表と一致するかを確認します。

長さと前面部品の干渉

ケースの「最大GPU長」は、前面ファンやラジエーターを付けない状態の値か、取り付けた状態の値かで変わることがあります。例えばケースの表示が300mmでも、前面ラジエーターが内側へ張り出す構成なら、297mmのGAMING Xに残る余白は3mmよりさらに小さくなります。ケースメーカーが示す取り付け条件を使って、有効な長さを計算する必要があります。

カードの先端に電源コネクタがある製品では、ケーブルの曲げ方も前面側の余白に関係します。写真でコネクタ位置を確認し、ケーブルが前面ファンへ押し込まれない配置にします。寸法表の長さに加え、配線が占める空間も確保します。中古カードの付属品や電源側ケーブルの取り回しも合わせて考えます。

厚さと拡張スロット

SAPPHIREはPULSEを2.3スロット、厚さ46.5mmと表記します。MSI GAMING Xは58mmとさらに厚く、隣のPCIeスロットやケース底面との空間が減ります。カードを物理的に挿せても、ファンの吸気面が底面や別の拡張カードに近いと、冷却条件が変わります。ケースの拡張スロット数だけでなく、GPUの下側に残る空間を確認します。

GIGABYTEの40.8mmは表の3製品では最も薄い寸法です。マザーボード上のコネクタ、ライザーケーブル、隣接するカードの位置で使える厚さは変わります。特に縦置きGPUの構成では、側板との距離をケースの取付説明に合わせて確認します。

3製品の取り付け条件

表のGIGABYTE WINDFORCE OCは228mmで、MSI GAMING Xより69mm短い一方、メモリ速度の初期仕様は12Gbpsです。GIGABYTEの製品ページは、対象のFA0 BIOSで14Gbpsへ変更する手順を示しています。ケースへの収まりを優先して短いカードを買う場合も、販売個体のVBIOS状態によって性能条件が変わります。ケースへの適合と性能比較には、販売個体の型番とVBIOSを合わせます。

SAPPHIRE PULSEは254mmで、2.3スロットと公称します。ケースの空きスロットが2つぴったりの構成では、46.5mmの厚みが隣の部品へ張り出します。MSIの58mmはさらに厚く、下側に拡張カードを配置する構成では、そのカードとの間隔も必要です。前面ラジエーターの厚さ、側板までの高さ、下側の吸気スペースを同時に見ると、カード長だけを満たしていても生じる干渉を避けられます。

映像ケーブルも取付後の確認項目です。3製品はいずれもDisplayPortとHDMIを備えますが、ケースの拡張スロット開口にブラケットが正しく合わないと、端子へコネクタを奥まで挿しにくくなります。中古カードが曲がっていないか、ケース側のブラケット固定位置に無理がないかも組み付け時に確認します。

高さと電源ケーブル

高さはPCIeスロットから側板方向へ張り出す量の比較に使います。表では118〜140mmに分かれます。高いカードでは側板の内側へ8ピンケーブルを曲げる空間も必要です。MSIのように8ピンが2基ある場合、端子を2つとも接続する必要があり、配線の束が側板に当たらないかも確認します。

中古店の写真だけで寸法を推定するより、型番をメーカー仕様に合わせる方が確実です。表にない製品は冷却器や寸法が異なるため、別途そのメーカー寸法を調べます。ケースの有効GPU長、空きスロット、側板までの高さ、電源コネクタを照合してから購入する順序が安全です。550W電源と補助電源の記事で配線条件を、中古価格の記事で型番による評価を確認できます。