Radeon RX 5600 XTからRX 6600へ替える価値は、フルHDの平均fpsだけでは決まりません。RX 6600は8GBのVRAM、RDNA 2世代の機能、低い公称ボード電力も備えます。2025年に新しいゲームで再測定した比較と、2026年10月の中古掲載価格を使い、差額に見合う使い方を整理します。

RX 5600 XTとRX 6600の基本仕様

AMDのRX 5600 XT仕様は6GB GDDR6、192-bit、標準ボード電力150Wです。RX 6600の公式仕様は8GB GDDR6、128-bit、132W。バス幅だけ見ると旧世代が広いものの、世代間の設計やキャッシュが異なるため、192-bit対128-bitでゲーム性能の順位を決めることはできません。

比較項目 RX 5600 XT RX 6600
GPU世代 RDNA RDNA 2
VRAM 6GB 8GB
AMD公称ボード電力 150W 132W
AMDの最小推奨電源 550W 450W
レイトレーシング用アクセラレータ なし あり
AV1ハードウェアデコード 公式仕様の対応表に記載なし 対応

RX 6600のVRAMは2GB多く、容量では約33%増えます。RX 6600にレイトレーシング用ハードウェアがあることと、高負荷なレイトレーシングを快適に遊べることは別です。まず通常描画のフレームレートを基準に考える方が適切です。

2025年のゲーム性能差

TechSpotの2025年再検証は、新旧の「60」クラスを7ゲームで比較しています。RX 6600はRX 5600 XTより、フルHDの低・中設定の平均で約18%高速、高設定では約11%高速でした。WQHDの低・中設定では約12%、高設定では約21%高速です。設定ごとに差が変わるので、ひとつの割合で全ゲームを説明することはできません。

同レビューの個別ゲームでは、6GBを超えるVRAM使用が問題になる設定で差が広がります。Call of Duty: Black Ops 6のWQHD・Extreme設定ではRX 6600が大幅に優位でした。フルHDで画質を中程度にする場合、平均差は大きくても約2割という測定結果を出発点にできます。

2020年のゲームだけで比較すると、RX 5600 XTの見え方は異なります。新作を何年も遊ぶ予定なら、同じ条件で近年の作品を測った結果を優先しましょう。逆に特定の古いタイトルだけなら、そのタイトルの個別ベンチマークが最も役立ちます。

消費電力と機能の差

AMDの標準ボード電力はRX 6600の方が18W低い数値です。PC全体の消費電力はCPUや周辺機器を含み、カード固有の電力設定でも変わります。既存の550W電源が必要な補助電源ケーブルを備えていれば、RX 6600でも容量の目安を満たします。

動画用途ではRX 6600がAV1デコードに対応しますが、AMDの仕様にあるのはデコードで、AV1エンコードとは異なります。RX 5600 XTもH.264・HEVCのハードウェアエンコード/デコードは備えます。動画制作が主目的なら、編集ソフトが使う形式を先に確認したいところです。

VRAMが効く設定と効かない設定

TechSpotの2025年の検証では、Call of Duty: Black Ops 6のExtreme設定で、RX 6600のリードがフルHDでは6%、WQHDでは112%でした。RX 5600 XTの6GBがWQHDで尽きることが大差の理由です。一方、フルHDの低・中設定では7ゲーム平均のリードは18%で、容量不足だけに結果が左右されるわけではありません。

同レビューには、8GBを超えるVRAMを求める設定もあります。RX 6600の価値は「すべて最高設定にできる」ことより、RX 5600 XTより2GB多い容量と新しい世代の通常描画性能です。両者の実測を、遊ぶ解像度と画質に合わせて読むと差額の意味が明確になります。

2026年10月の中古価格差

2026年10月にじゃんぱらへ掲載されたRX 5600 XTは14,980円、RX 6600の別の検索結果には26,980円の個体がありました。掲載例の差額は12,000円です。RX 5600 XTの当該個体は10月29日時点で掲載を終了しており、現在の在庫価格とは区別します。

終了したRX 5600 XTの掲載例を比較基準にすると、RX 6600の価格は約80%高く、フルHD低・中設定の平均fps差は前記の7ゲームで約18%です。純粋な初期費用あたりのfpsだけなら、安いRX 5600 XTが有利になり得ます。8GBの余裕、新しいゲームでの安定性、消費電力も重視するなら差額を払う根拠があります。なお、掲載個体の12Gbps/14Gbps設定でRX 5600 XTの性能も変わります。

すでにRX 5600 XTを所有しているなら、遊ぶゲームで6GBの制約が出ているかが買い替えの判断点です。これから買う場合は、6GB VRAMの解説と中古価格の見方を合わせ、同じ保証条件で総額を比べてください。