高消費電力GPUの12V-2x6電源端子では、合計電力だけでは各接点の負荷の偏りを把握できません。端子の状態を確認できる機器を探している人に向けて、Thermal GrizzlyとNoctuaが「WireView Pro II Noctua Edition」を発売しました。6本の12V線を個別に監視する既存機能に、Noctua製ファンを使った静かな冷却を組み合わせた製品です。
発売日と製品の位置付け
Noctuaの発表によると、両社は現地時間2026年9月27日に本製品を発表し、同日からThermal Grizzlyと販売パートナーを通じて販売を始めました。欧州の希望小売価格は189.90ユーロです。オランダのテック媒体Tweakersも発売と欧州価格を報じています。日本向けの販売価格と発売日は、この発表では示されていません。
対象は12V-2x6電源端子を使う高性能グラフィックカードです。WireView Pro IIをカードと電源ケーブルの間に接続し、端子の電流分布や温度を監視します。新型ではNoctuaの小型ファンとアルミニウム製冷却部を採用し、静音化を図っています。監視機能の基本構成は従来のWireView Pro IIを引き継ぎます。
12V-2x6端子の個別監視と警報
Thermal Grizzlyの製品仕様では、6本の12V線それぞれの電流を測り、合計消費電力、電圧、端子付近の温度も表示できると説明しています。各線への電流の偏りを画面で確認できます。端子の接触状態に起因する負荷の偏りを見つけるための情報になります。
| 監視・動作 | 公表された内容 |
|---|---|
| 電流 | 6本の12V線を個別に計測し、合計値も表示 |
| ほかの測定値 | 電圧、電力、端子付近の温度 |
| 異常時 | 設定したしきい値を超えると画面表示と音で警報 |
| 自動停止 | 付属の分岐ケーブルを使って設定可能 |
| 記録 | 内蔵メモリーに動作データを保存 |
警報のしきい値は本体で変更できます。付属の分岐ケーブルを接続すると、設定に応じてPCを自動停止させる機能も利用可能です。画面表示と基本設定は本体だけで扱え、専用ソフトウェアは追加の設定や保存データの解析に使います。内蔵メモリーには各線の電流や合計消費電力、端子付近の温度が記録され、異常が起きた時の経過を後から追えます。
Noctua製ファンによる冷却と騒音
Noctua EditionはNF-A4x10nファン、専用のファングリル、アルミニウム製ヒートシンクを採用しました。低負荷ではファンを止め、温度と消費電力に応じて回転させます。従来版で気になったファン音を抑えることが開発上の狙いです。
Noctuaが公開した社内試験では、ケースファンをすべて停止し、ケース内を40℃超にした条件を使っています。電力別のファン始動時間は次のとおりです。
| GPU負荷 | Noctua Edition | 従来版 |
|---|---|---|
| 300W | 試験中は停止 | 2分15秒 |
| 400W | 4分25秒 | 1分40秒 |
| 480W | 2分50秒 | 1分25秒 |
ファン作動時の端子付近の温度も、同試験では新型が平均で約3℃低くなりました。
同じ試験でファンが回った時の騒音は、10cm地点でNoctua Editionが約21.5dB(A)、従来版が39.4dB(A)でした。測定条件はケースファン停止、マイクと機器の距離10cmです。静音PCで監視器自体の音を抑えたい人には、従来版との具体的な比較材料になります。
対応カードと設置スペース
Thermal Grizzlyの案内では、電源ケーブルを下向きに取り回すための「Normal(N)」と「Reversed(R)」の2種類が用意されています。表示は180度回転でき、本体は90度方向へケーブルを曲げるアダプターの役割も持ちます。カード側の端子の向きに合わせて型を選ぶ仕組みです。
12V-2x6端子のあるカードでも、冷却器の張り出しやサイドパネルとの距離で装着できる型は変わります。メーカーは製品ページの適合リストと寸法図を公開しています。たとえばGeForce RTX 5090を使う場合、N型・R型は採用カードの端子向きとケース内の寸法に合わせて選びます。
Thermal Grizzlyは、適切に使用した場合のGPU側12VHPWRまたは12V-2x6端子の損傷について、購入日から2年間の延長保証を案内しています。保証の対象と手続きには製品ごとの条件があるため、購入時の製品ページと保証条項が判断基準になります。
まとめ
WireView Pro II Noctua Editionは、6本の12V線の電流を分けて表示し、設定値を超えたときに警報を出すGPU電源監視器です。Noctuaの社内試験では従来版よりファンの始動が遅く、作動時の騒音も低い結果でした。欧州では9月27日から販売され、希望小売価格は189.90ユーロです。
購入前に適合リストで使用カードの端子向きとケース内の寸法を確認し、N型・R型を選べます。GPU側の電源要件を整理したい場合は、RTX 5090の補助電源記事もあわせてご覧ください。
