Intel Arc Pro B50は、設計・可視化向けに16GBのVRAMとプロ向けドライバーを用意したGPUです。CAD用に選ぶ際は、SOLIDWORKS、Revit、Inventorで異なる性能が判断材料になります。同じGPUでもアプリと作業工程によって差が出ます。実測と公式サポート情報を分けて確認します。

SOLIDWORKSのGPU性能

Puget SystemsのSPECapc for SOLIDWORKS 2024テストでは、GPU CompositeスコアがB50で2.0、NVIDIA RTX A1000で1.5、前世代Arc Pro A50で1.2でした。この条件ではB50がA1000より約33%高い結果です。表示モード別の項目を見ると、どの工程で差が付いたかも分かります。

Pugetの試験PCはRyzen 9 9950X3D、64GB RAM、Windows 11 Proです。SOLIDWORKSで複雑なアセンブリを扱い、8GBではVRAMの余裕が少ない場合、B50の16GBにも意味があります。Intelのデータシートは、B50を2D・3D設計、エンジニアリング、可視化向けと位置付けています。

SOLIDWORKSの内訳を使うと、改善する場所がさらに絞れます。PugetのGPU ShadedはB50の2.1、A1000の1.7で約24%の差でした。GPU Drawingは両者2.20で並んでいます。大きなモデルのシェーディング表示を頻繁に回転させる設計作業には、前者の差が参考になります。一方、Drawing項目が主な用途なら、GPU Compositeの2.0対1.5だけで買い替え効果を見積もるのは過大です。

RevitとInventorの結果

同じPuget SystemsのRevit 25.3検証では、モデル作成の所要時間はB50が62、A1000が63と近い値でした。グラフィックス項目の所要時間はB50が25、A1000が20で、A1000が速い結果です。モデル作成はCPUに左右されやすく、GPUを選ぶ基準としては表示処理の値が有用です。

Inventorについては、Puget Systemsが初回掲載後に結果を訂正しています。Ryzenの内蔵GPUへ処理が回っていた設定上の問題を見つけたためです。訂正後のグラフィックス項目では、B50がA1000よりわずかに遅い結果でした。初回の大差は両カードの性能差ではありません。

Revitのグラフィックス項目は所要時間なので、25対20はB50の方が約25%長いことを意味します。SOLIDWORKSのスコアは大きい方が速く、Revitの時間は小さい方が速いという読み方の違いがあります。B50は両アプリで同じ順位になっていません。建築モデルの表示が中心ならRevitの数値を優先し、機械設計のシェーディング表示が中心ならSOLIDWORKSの内訳を見ると、作業に合った評価になります。

プロ向けドライバーと認証

IntelはB50に業務用途を意識したドライバーとISV認証を用意しています。認証の対象はCADの製品名と版、OS、ドライバーの組み合わせで決まります。Intelのデスクトップ導入ガイドは、対応ISVアプリの情報を最新ドライバーのリリースノートとIntelのISV認証ツールで案内しています。導入するCADの版とOSに合うドライバーを選ぶための具体的な参照先です。

B50の16GBは大きな設計データを載せる容量で、描画速度には16基のXeコアと224GB/sの帯域幅も関わります。Revitのモデル作成はCPUの影響が大きく、同じPugetの試験ではGPU交換による差が小さく出ました。

設計作業を「モデル作成」と「視点操作・表示」に分けると、グラフィックカードを増強して短縮できる工程が見えてきます。PugetのRevitではモデル作成より表示工程でカード間の差が大きく出ました。Intelの導入ガイドは、B50の性能を引き出すためにResizable BARも案内しています。導入時はCADの認証対象となるドライバーに加え、PC側のこの設定もそろえる構成です。

ワークステーションへ入れる条件

Intel標準B50は168×69mmのロープロファイル、2スロット設計で、補助電源端子を使いません。小型設計PCに16GBのVRAMを追加する用途に合います。画面はmini-DisplayPort 2.1で最大4台。複数図面や資料を並べる場合には便利ですが、通常サイズのDisplayPort画面には変換ケーブルが必要です。

まとめ

Arc Pro B50は、PugetのSOLIDWORKSテストでRTX A1000より高いGPU Compositeスコアを示しました。Revitの表示項目ではA1000が速く、Inventorは訂正後のデータで小差です。B50をCAD用に買うなら、主に使うソフトと版に合わせて実測とIntelの認証情報を確認し、16GBの容量と省スペース性まで含めて選ぶと判断しやすくなります。