超横長ディスプレイでDLSS 5のニューラルレンダリングを使うと、処理する画素数の多さがフレームレートに響きます。画面の中央を鮮明に保ちながら、周辺部にかかる処理を減らす非公式アドオン「FoveatedDLSS5」が公開されました。開発者は7680×2160の環境でフレームレートが49fpsから80fpsへ上がったと報告しています。処理量の削減幅は表示解像度によって変わります。

FoveatedDLSS5の公開内容

FoveatedDLSS5は、開発元がGitHubで公開したReShade用の拡張です。既存のRenoDX DLSS 5アドオンを基にしています。画面中央に解像度を維持する領域を置き、その外側ではDLSS 5 Neural Renderingへ渡す画像の解像度を段階的に下げます。開発者は超横長ディスプレイを主な対象に挙げています。コミュニティが公開した実験的な実装です。

NVIDIAによると、DLSS 5のニューラルレンダリングは、ゲームの描画結果を基にライティングや材質の見え方を補う技術です。FoveatedDLSS5はその処理対象となる作業画像を中央と周辺で組み替えます。注視しやすい中央の情報を多く残す設計になっています。

開発元はプレリリース段階と明記し、公開時点で動作を試したゲームを『The Witcher 3』のDirectX 12版に限定しています。もう一つのCheeky Foveated DLSSもDLSS 5の周辺処理に対応しており、同じ発想を使う別のコミュニティ実装です。

画面中央と周辺部の処理

このアドオンでは、中央領域の幅と高さ、解像度が変化する境界の幅、周辺部の解像度比率を個別に指定できます。既定値は中央3000×1800画素、境界400画素、周辺の解像度比率50%です。処理前に画像を圧縮し、ニューラルレンダリングの結果を元の表示解像度へ引き伸ばす仕組みです。奥行き情報と動きベクトルも同じ形で調整し、画像との位置を合わせます。

開発元の計算例では、7680×2160の表示に既定値を適用すると、ニューラルレンダリングの作業画像は5540×2132になります。処理対象の画素数は元の約71%です。一方、3840×2160では約93%が残ります。既定の中央領域が画面に占める割合が大きいため、通常の4K画面では削減幅が小さくなります。3440×1440では既定値の節約量が5%未満となり、アドオンが自動で周辺解像度調整を止める設計です。

ゲーム全体のフレームレートは、ゲーム本体の描画やDLSSのほかの処理、画面出力の負荷にも左右されます。中央領域を狭めたり周辺の解像度比率をさらに下げたりすると処理量は減りますが、画面端の見え方も変化します。中央領域と周辺解像度比率を変え、同じ場面で画質と速度を比べられます。

開発者が示したRTX 4090での結果

開発者はGeForce RTX 4090で『The Witcher 3』を7680×2160、DLSS 5の2パス設定で動かし、周辺解像度調整の適用前が49fps、適用後が80fpsだったと報告しました。差は31fpsで、元の値に対して約63%の増加です。Tom’s Hardwareも、この実装と報告を取り上げています。この数値は開発者が示した1ゲーム・1構成での結果です。

画質について開発者は変化が目立ちにくいと述べていますが、周辺の細部は設定で変わります。開発元の説明では、周辺比率を25〜35%ほどまで下げると、ニューラルレンダリングによる周辺の表現が柔らかく見え始める場合があります。静止画だけでなく、カメラ移動中の輪郭や細部を見ると、画質と速度の交換関係を把握しやすくなります。

対応条件と公式版との関係

FoveatedDLSS5は、ReShadeのアドオン対応版とRenoDXのDLSS 5アドオンを使う構成です。開発元の説明では、ニューラルレンダリングをアップスケーリング後に置く設定で周辺解像度調整が働きます。アップスケーリング前にニューラルレンダリングを実行する設定では、この機能は無効になります。ゲームが渡す奥行き情報や動きベクトルを読み取れない場合、周辺部の表現がずれる可能性も記載されています。

NVIDIAが公式に案内するDLSS 5 Neural Renderingの対象はGeForce RTX 50シリーズです。今回のRTX 4090での結果は、改変された実行環境を用いたコミュニティ側の検証です。NVIDIAはRTX 40シリーズでの公式対応を案内していません。

まとめ

FoveatedDLSS5は、画面中央を高解像度に保ち、周辺部にかかるDLSS 5の処理を減らす非公式アドオンです。開発者はRTX 4090と7680×2160の『The Witcher 3』で49fpsから80fpsへの改善を報告しました。公開時点ではプレリリースで、検証済みゲームも限られています。超横長画面でDLSS 5の処理負荷が気になる方には、中央領域の広さと周辺画質を調整する新しい選択肢です。GPU自体のゲーム性能が気になる方は、RTX 4090の4Kゲーム性能もご覧ください。