Intel Arc A750はResizable BARを有効にして使います。Arc Aシリーズは無効時も動作しますが、Intelは最適な性能の条件としてResizable BARまたはSmart Access Memoryの有効化を挙げています。

設定の基本は、UEFI起動を確認し、CSMを無効、Above 4G DecodingとRe-Size BAR Supportを有効にする流れです。この記事では事前確認、BIOS操作、Windows上での検証、項目が表示されない場合の切り分けを順に解説します。

Resizable BARの役割

通常の構成では、CPUからGPUのフレームバッファーへ見えるPCIe上の領域が小さく区切られます。Microsoftのドライバー資料は、Resizable BARに対応したGPUでWindowsがファームウェア初期化後にBARサイズを再調整し、成功するとGPUのVRAM全体を公開できる仕組みを説明しています。

Arc A750のVRAM容量は8GBです。Resizable BARを有効にすると、CPUが小さな窓を何度も切り替える方式から、より大きな領域へアクセスできる構成になります。Arc Aシリーズでは、Intelが最適性能の条件として明示する設定です。

IntelのFAQは、Resizable BARが無効でもArc GPU自体は動くと説明しています。映像が出ることと、本来の性能を出せることは別です。低いfpsやカクつきを調べる際は、ドライバーより先に設定状態を確認します。

必要な対応範囲

Resizable BARを使うには、GPU、CPU、マザーボード、BIOS、OS、ドライバーの対応が必要です。

構成要素 確認する内容
GPU Intel Arc A750と最新グラフィックス・ドライバー
CPU マザーボードメーカーがResizable BAR対応として案内する世代
マザーボード 対応BIOSとAbove 4G Decoding/Re-Size BAR項目
起動方式 UEFI。CSM/Legacy Modeは無効
OS Arc A750対応の64-bit Windows 10/11など

同じチップセットでも、メーカーと製品型番によって対応BIOSの公開状況が違います。マザーボードのサポートページで、CPU世代とBIOSバージョンの対応を調べてください。

Windowsでの事前確認

BIOSを変更する前に、現在の起動方式と構成を記録します。Windowsの「システム情報」を開き、「BIOSモード」がUEFIかレガシか確認してください。レガシと表示されるPCでCSMを先に無効にすると、既存のWindowsを起動できなくなる場合があります。

BitLockerまたはデバイス暗号化を使っている場合は、回復キーを確認します。BIOS更新やSecure Boot関連の変更後に回復キーを求められることがあるためです。現在のBIOS設定を写真に残し、マザーボードの説明書から設定の初期化方法も確認します。

事前に記録する項目はこちらです。

  • マザーボードの正確な型番とBIOSバージョン
  • CPUとArc A750の型番
  • WindowsのBIOSモード
  • 起動ドライブのパーティション方式
  • BitLocker回復キーの保管先
  • 現在のCSM、Above 4G Decoding、Resizable BAR設定

BIOS更新

Resizable BARの項目がない場合は、マザーボードの公式サポートページで新しいBIOSを確認します。更新内容にResizable BAR、Re-Size BAR、Smart Access Memory、Clever Access Memoryなどの表記があるかを探してください。

BIOS更新はマザーボードメーカーの手順だけを使います。別型番のファイルを適用せず、更新中に電源を切りません。更新後は設定が初期化されることがあるため、メモリー設定、ファン制御、起動順序も確認します。

すでに対応BIOSを使っている場合は、無理に別バージョンへ変更せず設定画面へ進みます。ベータBIOSしかない場合は、修正内容と既知の問題を確認して導入を判断してください。

Resizable BARの有効化手順

IntelのArc導入ガイドが示す基本設定は次のとおりです。項目の場所と名称はマザーボードによって異なります。

  1. Windowsの設定から「システム」→「回復」→「PCの起動をカスタマイズする」へ進み、UEFIファームウェア設定を開く
  2. CSMまたはLegacy Modeを無効にし、UEFI起動を有効にする
  3. Above 4G DecodingをEnabledまたはAutoにする
  4. Re-Size BAR SupportをEnabledまたはAutoにする
  5. 設定を保存して再起動する

AMDマザーボードではSmart Access Memory、ASRock製品ではClever Access Memoryと表示される場合があります。Above 4G Decodingを先に有効にしないとRe-Size BAR項目が表示されないBIOSもあります。

起動方式がレガシのPCは、ディスク構成を確認してUEFIへ移行する作業が先です。データを保護し、PCまたはマザーボードメーカーの正式な移行手順に従います。

Windows上での有効確認

再起動後はIntel Driver & Support Assistant(Intel DSA)を使い、Resizable BARが有効と認識されているか確認します。Intel Graphics SoftwareやGPU情報ツールでも表示できますが、複数の画面で一致するかを見ると設定漏れを見つけやすくなります。

WindowsがUEFIで起動し、ドライバーがArc A750を認識した状態で、Intel DSAまたはIntel Graphics SoftwareのResizable BAR表示を確認します。BIOSのEnabled表示とWindows上の認識がそろえば検証完了です。

ドライバーもIntel公式から更新します。古いドライバーを使っている場合は、更新後にもう一度状態を確認し、ゲームの同じ場面でfpsとフレーム時間を比較してください。

有効にならない場合

BIOSで設定したのに無効表示が続く場合は、次の順で確認します。

  1. WindowsのBIOSモードがUEFIになっているか
  2. CSM/Legacy Modeが完全に無効か
  3. Above 4G DecodingとRe-Size BARの両方が有効か
  4. GPUをCPU直結の主PCIe x16スロットへ挿しているか
  5. マザーボードとGPUのBIOS、Intelドライバーが最新か
  6. CPUがマザーボードの対応一覧に含まれるか

BIOS更新後に設定がAutoへ戻ることがあります。設定画面を開き直して確認してください。複数GPUやPCIeライザーを使っている場合は、Arc A750を主スロットへ直接接続した最小構成で判定します。

項目そのものがない古いマザーボードでは、非公式の改造BIOSへ進む前にCPU・マザーボード交換費を見積もります。A750を安く購入しても、対応プラットフォームへの更新で総額が上がるため、中古購入の判断にも影響します。

有効化後の性能確認

有効化前後を比較するなら、同じドライバー、ゲーム、解像度、画質設定、セーブ地点を使います。平均fps、1% Low、フレーム時間を記録し、シェーダーコンパイルが終わった状態で複数回測ります。

Resizable BARを有効にしてもfpsが低い場合は、CPU使用率、GPU使用率、VRAM、温度を確認します。GPU使用率が高くVRAMに余裕があれば演算負荷、VRAMが8GB付近ならテクスチャー容量、GPU使用率が低ければCPUやゲーム側の上限を疑います。

Arc A750のゲーム性能ガイドでは、フルHDとWQHDで下げる設定の順番を説明しています。Resizable BARを有効にした状態を性能調整の出発点にしてください。

まとめ

Intel Arc A750はResizable BARが無効でも動作しますが、Intelは最適性能のために有効化を求めています。UEFI起動、CSM無効、Above 4G Decoding有効、Re-Size BAR Support有効の4点をそろえ、Intel DSAで認識を確認します。

設定項目が出ない場合は、マザーボードの対応BIOS、CPU世代、起動方式を順に調べます。BIOSを変更する前に回復キーと現在の設定を記録し、メーカー手順で作業してください。環境が整ったら、Arc A750のゲーム性能を同じ場面で測り直しましょう。