ゲーム中の平均FPSだけでは、カクつきの原因がGPU、CPU、画面出力のどこにあるか分かりにくいものです。Intelが公開した無料の計測ツール「PresentMon 2.6.0」では、指標を選びやすくなり、計測サービスのCPU負荷も減りました。今回の更新内容を公式リリースノートに沿って整理し、どの数字がどんな判断に役立つのかを見ていきます。

PresentMon 2.6.0の更新概要

Intelの公式配布ページによると、PresentMon 2.6.0の公開日は2026年9月21日です。9月25日にはVideoCardzも更新内容を報じました。この更新の中心は、計測処理のCPU負荷低減、新しい「Game Experience」オーバーレイ、複数GPUのテレメトリー表示です。

PresentMonはゲーム画面にFPSやGPUの稼働状況を重ねられるオープンソースのツールです。Intel、AMD、NVIDIAのGPUを搭載したWindows PCで使えます。IntelはDirectX 9・11・12、OpenGL、Vulkanへの対応を案内しており、Windows 10とWindows 11を対象にしています。

変更点 2.6.0でできること
計測サービス 負荷時のCPU使用量をIntelの条件で78%削減
Game Experience 動きやアニメーションの品質に関わる指標をまとめて表示
複数GPU 指標ごとに参照するGPUを選んで同時表示
指標の可用性 利用できない指標と、その理由を画面で確認
記録機能 DirectX 12のPSOコンパイル情報などをCSVへ記録

計測サービスのCPU負荷

公式の2.6.0リリースノートでは、ETWイベントのフラッシュなどで精密な待機が不要な処理を、より粗い待機方式へ変更したと説明しています。Intelの測定では、この変更によって負荷時のPresentMon側のCPU使用量が78%減りました。78%は、計測ツール自体が使うCPU時間の改善率です。

Intelはアイドル時の診断ログ書き込みも見直し、サービスのCPU使用率が0.003%から0.000%へ下がったと記載しています。CPUに余裕の少ないノートPCや、ゲームのフレーム時間を細かく追う場面では、計測器自身が測定へ与える影響を抑えられる更新として意味があります。

Game Experienceと複数GPUの表示

新しいGame Experienceプリセットは、画面上の動きやアニメーションの見え方と関係する指標をまとめるオーバーレイです。平均FPSだけを眺めるより、時間ごとの変動や表示までの経路を追いやすくなります。Intelは指標の選択画面も変更し、取得できない項目を消さずに薄く表示して、マウスを合わせると理由を示すようにしました。

内蔵GPUと単体GPUを併用するPCでは、項目ごとに測定対象を選べます。たとえばゲームを描画する単体GPUと、別の画面出力に関わる内蔵GPUの値を同じ画面に並べられます。複数のグラフィックアダプターがある環境で、どのGPUの値を見ているかが分かりやすくなりました。

GPUテレメトリーも更新され、AMDのADL経由で取得する専用VRAM使用量の報告が改善されています。必要な指標だけをポーリングする構造へ移ったため、表示していない項目まで一律に読み取る処理を減らせます。搭載ハードウェアやドライバーが提供しない指標は、画面上で理由を確認できます。

記録機能とゲーム分析への使い道

PresentMon 2.6.0は、DirectX 12のパイプライン状態オブジェクト(PSO)のコンパイル回数、所要時間、処理が続いた割合をフレーム単位の記録へ追加しました。ゲーム開始直後や新しい場面で起きる短い停止を調べる際、フレーム時間とPSOコンパイルを同じ記録で見られます。コンパイルとフレーム時間の悪化が重なったかを確認できます。

画面への出力については、新しいWindowsのDDI flipイベントから、表示できたフレームと表示されなかったフレームの時刻を記録できます。複数画面や複数の表示レイヤーを使う構成向けに、CSVへソースIDとレイヤーIDも追加されました。一般の利用者はまずオーバーレイでFPSの揺れとGPU Busyを見て、さらに詳しく調べたいときにCSV記録を使う流れが分かりやすいでしょう。

導入する場合は、Intelの公式配布ページかGitHubの公式リリースから2.6.0を入手します。すでに旧版を使っている場合は、画面内に追加されたバージョン表示で更新結果を確かめられます。複数GPU環境では各指標の参照先を選び、利用できない指標は理由を確認して、取得可能な値で測定を組み立てるのが有効です。

まとめ

PresentMon 2.6.0は、計測サービスの負荷を抑えながら、ゲーム中の動き、複数GPU、PSOコンパイルを調べやすくした更新です。Intelの78%という数字はPresentMon側のCPU使用量の改善率を示します。手元のゲームでフレーム時間やGPU Busyを確認したい人は、Intelの公式配布ページから新版を入手し、Game Experienceプリセットを試してみてください。