NVIDIAの表示不具合向けHotfixを使っていて、通常のGame Ready Driverへ戻す時期を待っていた方もいるでしょう。NVIDIAは2026年9月9日、Windows 10・11向けのGeForce Game Ready Driver 616.92 WHQLを公開しました。

616.92は『007 First Light』のパストレーシング更新など5作品をGame Readyの対象に加え、616.86 Hotfixで先行提供した3件の一般不具合修正を通常版へ取り込んでいます。この記事では、新しい対応作品、修正された症状、残る既知問題、更新前後の確認手順を整理します。

Game Ready Driver 616.92の概要

NVIDIAの公式発表公式リリースノートによると、616.92はRelease 615系に属するWHQL版です。616.64以降の変更を収録し、CUDA 13.4、HD Audio Driver 1.4.6.3、PhysX System Software 9.26.0703を含みます。

項目 内容
バージョン GeForce Game Ready Driver 616.92 WHQL
公開日 2026年9月9日
対応OS Windows 10 64-bit/Windows 11
ゲーム対応 5作品の新作・更新
一般不具合の修正 3件
修正済みゲーム不具合 なし

WHQLはMicrosoftのWindows Hardware Quality Labsによる認証を受けた配布形態です。先行Hotfixの616.86は問題が出ている利用者へ修正を早く届ける任意ベータ版でした。616.92なら、NVIDIA Appや通常のドライバーダウンロードページから導入できます。

5作品へのGame Ready対応

今回の中心は、9月10日から16日にかけて公開されるゲームと大型更新への対応です。対象作品とNVIDIAが案内した機能は次のとおりです。

作品 公開・更新日 主な対応内容
WARDOGS 9月10日 DLSS 4.5 Super Resolution、Dynamic Multi Frame Generation、NVIDIA Reflex
PUBG: BATTLEGROUNDS 9月10日 DLSS Super Resolution。NVIDIA Appの上書きで最新DLSS 4.5モデルを選択可能
007 First Light 9月15日 パストレーシング、DLSS 4.5 Ray Reconstruction
Active Matter 9月15日 DLSS 4.5 Super Resolution、Ray Reconstruction、Dynamic Multi Frame Generation
Aniimo 9月16日 DLSS 4.5 Super Resolution、Dynamic Multi Frame Generation

『WARDOGS』は9月10日の早期アクセス開始時からDLSS 4.5 Super ResolutionとDynamic Multi Frame Generation、Reflexに対応します。『PUBG: BATTLEGROUNDS』も同日にDLSS Super Resolutionを追加し、NVIDIA AppのDLSS上書き機能から最新モデルを利用できる構成です。

『007 First Light』では9月15日の更新でパストレーシングとDLSS 4.5 Ray Reconstructionが加わります。照明、影、反射をパストレーシングで描き、Ray Reconstructionがニューラルネットワークを使ってノイズ除去を担う組み合わせです。

『Active Matter』はSuper Resolution、Ray Reconstruction、Dynamic Multi Frame Generationを同日に導入します。『Aniimo』は9月16日の正式公開時からSuper ResolutionとDynamic Multi Frame Generationに対応する予定です。利用できるDLSS機能はGPU世代によって異なるため、ゲーム内設定とNVIDIA Appに表示される選択肢を確認すると対応範囲が分かります。

616.92で修正された3件

616.92の公式リリースノートは、一般不具合の修正を3件挙げています。

  • 特定のWebサイトを移動した際にブラウザーが断続的にちらつく問題(6673430)
  • 616.56へ更新後、仮想ディスプレイを作成できない問題(6674464)
  • 616.56へ更新後、Remote Desktop Protocolの接続画面が黒くなる問題(6687328)

3件はNVIDIAが9月4日に公開した616.86 Hotfixと同じ修正項目です。616.86は616.64を土台にした任意ベータ版で、NVIDIA Appからの通常配信ではありませんでした。616.92の公開により、Hotfixを直接取得しなくても通常のWHQL版で修正を導入できます。

ブラウザーのちらつきが616.56以降に始まった方、Moonlightなどで使う仮想ディスプレイを作れなくなった方、RDP接続が黒画面になった方は、616.92へ更新する理由が明確です。すでに616.86で症状が解消している場合も、616.92へ移れば今後の通常更新をNVIDIA Appで追いやすくなります。

残っている既知問題

616.92には3件の既知問題が残っています。公式リリースノートは、次の項目を未解決として掲載しています。

  • 電源管理モードの「パフォーマンス最大化を優先」が正しく適用されない問題(6007998)
  • 616.56以降で『Assassin’s Creed Shadows』を長時間プレイするとデスクトップへ強制終了する問題(6685219)
  • 616.56以降で『Judgment』『Lost Judgment』『Virtua Fighter 5 R.E.V.O.』を起動できない問題(6681537)

該当作品を現在プレイしている場合は、Game Ready対応作品や3件の修正が自分の利用環境に必要かを基準に更新を決められます。更新後に問題が出たとき比較できるよう、導入前のバージョンと症状が起きる操作をメモしておくと切り分けが速くなります。

616.86・616.64・616.56との関係

直近の配布履歴を並べると、616.92の位置付けが分かりやすくなります。

バージョン 位置付け 主な内容
616.56 8月26日のWHQL版 後に表示・仮想ディスプレイ・RDP関連の報告が発生
616.64 9月4日のWHQL版 NBA 2K27向けGame Ready対応
616.86 9月4日のHotfix 616.64を土台に3件を先行修正
616.92 9月9日のWHQL版 3件の修正と5作品へのGame Ready対応

616.56の表示問題を追っていた方は、616.56で報告されたちらつきの記事616.86 Hotfixの解説も参照できます。今回の616.92は、その修正経路を通常のWHQL配布へ戻す節目に当たります。

更新前後の確認手順

更新はNVIDIA Appの「ドライバー」画面、またはNVIDIA公式ドライバーページから実行できます。作業前後は次の順で確認すると、バージョン変更と症状の変化を追いやすくなります。

  1. 現在のドライバーバージョンをNVIDIA AppまたはNVIDIAコントロールパネルで記録します。
  2. 起動中のゲーム、ブラウザー、配信・仮想ディスプレイ関連アプリを終了します。
  3. 616.92をダウンロードし、画面の案内に沿ってインストールします。
  4. Windowsを再起動し、ドライバーバージョンが616.92になったか確認します。
  5. 普段使う解像度・リフレッシュレート・色深度が維持されているか確認します。
  6. 問題が出ていたブラウザー、仮想ディスプレイ、RDP接続を同じ条件で試します。
  7. 対象ゲームではDLSSやパストレーシングの項目が表示されるか確認します。

ドライバー更新と同時に複数の設定を変更すると、症状が改善・悪化した原因を追いにくくなります。まず616.92だけを導入し、同じ操作で比較するのが効率的です。問題が続く場合は、NVIDIAへ報告する際にGPU名、Windowsのビルド、接続方式、モニター、再現手順を添えると情報の精度が上がります。

まとめ

GeForce Game Ready Driver 616.92 WHQLは、『007 First Light』『Active Matter』『Aniimo』『PUBG: BATTLEGROUNDS』『WARDOGS』への対応と、表示・仮想ディスプレイ・RDPに関する3件の修正をまとめた通常版です。616.86 Hotfixを使っていた方はWHQL版へ移行でき、616.56以降の対象症状に困っていた方は修正を試せます。

一方、電源管理設定と一部ゲームの起動・強制終了は既知問題として残っています。更新前のバージョンを控え、自分が使うゲームと機能を同じ条件で確認しましょう。DLSSの世代別機能も整理したい方は、DLSS 5の対応GPUと提供内容へ進むと今回のゲーム対応を判断しやすくなります。