GeForce RTX 4060 Ti 8GBを前世代と分ける武器がDLSS 3のフレーム生成です。「本当にフレームレートが上がるのか」「WQHDで効くのか」は気になる点でしょう。結論を先に言うと、対応タイトルでは表示フレームレートが大きく伸び、WQHDの重い場面ほど効く、が答えです。この記事では仕組み、前世代との違い、そして使う前に知っておくべき注意点を解説します。読み終えれば、この機能が自分の遊ぶゲームで活きるか判断できます。

DLSS 3とフレーム生成の仕組み

DLSSはNVIDIAのAIによる画質・性能向上技術です。RTX 4060 Tiが属するAda Lovelace世代では、DLSS Super Resolutionに加え、フレーム生成(Frame Generation)が使えます。フレーム生成は、連続する描画フレームの間にAIが作った中間フレームを挿入し、表示フレームレートをほぼ倍近くまで引き上げます。

RTX 4060 Tiの第4世代Tensorコアと、Ada世代のOptical Flow Acceleratorがこの処理を担います。重い描画の合間をAIフレームで埋めるため、GPUコアの生の描画力以上に滑らかな映像になります。

前世代RTX 3070との差

フレーム生成は、発売時点でAda Lovelace世代(RTX 40シリーズ)専用の機能でした。前世代のGeForce RTX 3070を含むRTX 30シリーズは、DLSS Super Resolutionまでは使えても、フレーム生成には対応しません。

RTX 4060 Tiと3070は生の描画力がほぼ互角ですが、このフレーム生成の有無が体感差を生みます。同じ性能なら、フレーム生成が使える4060 Tiの方が重いタイトルで有利です。両者の比較はRTX 3070との比較記事にまとめました。

WQHDで効く理由

フレーム生成が最も活きるのが、WQHDの重い描画です。RTX 4060 TiはWQHDに手が届く描画力を持ちますが、重量級タイトルでは素のフレームレートが落ちがちです。ここでフレーム生成を使えば、落ち込んだフレームレートを押し上げ、WQHDでも滑らかに保てます。

素のフレームレートが落ちる条件ほど、押し上げる余地が大きくなります。WQHDで重いタイトルを遊ぶ4060 Tiにとって、フレーム生成は相性の良い機能です。性能全体はWQHD性能の記事を参照してください。

使う前に知っておく注意点

万能ではありません。押さえておきたい点を挙げます。

  • 入力遅延:表示は滑らかになりますが、操作の反応が同じだけ速くなるわけではありません。NVIDIA Reflexの併用で遅延を抑える設計です。
  • 元のフレームレートが必要:素で十分なベースフレームレートがある状態で効果を発揮します。極端に低い状態から使うと粗が目立ちます。
  • 競技系ゲームには不向き:1フレームの反応を争うFPSでは、遅延を増やさない素のフレームレートが優先されます。

重量級のシングルプレイを美しく滑らかに遊ぶ場面で、最も価値が出る機能です。

DLSS 4との違い

RTX 4060 Tiが対応するのはDLSS 3までで、後継のRTX 50シリーズが対応するDLSS 4のマルチフレーム生成には非対応です。DLSS 3が描画フレームの間にAIフレームを1枚挿入するのに対し、DLSS 4は複数枚を挿入し、表示フレームレートをさらに大きく引き上げます。

後継のGeForce RTX 5060 Ti 16GBは、性能がほぼ同じでDLSS 4に対応し、VRAMも16GBです。フレーム生成の効きを最大限に求めるなら、後継の方が有利です。ただしDLSS 3のフレーム生成でも、対応タイトルのフレームレートは十分に伸びます。DLSS 4がないから4060 Tiが使えない、というわけではありません。今あるタイトルを滑らかに遊ぶ用途なら、DLSS 3でも実用上の不足は小さいです。最新機能を追うか、コストを抑えるかで、世代の選択が変わります。

まとめ|WQHDの重い場面で効く武器

RTX 4060 TiのDLSS 3フレーム生成は、AIの中間フレーム挿入で表示フレームレートを引き上げる、前世代にない武器です。WQHDの重い描画で最も効き、生の性能が互角の3070に対する差別化点になります。入力遅延と競技系での不向きさだけ理解しておけば、WQHDのゲーム体験を底上げできます。

性能全体はWQHD性能の記事、VRAMの選び方は8GB対16GBの記事でどうぞ。