小型PCで使うGPUを選ぶと、RTX A400と旧世代のT400 4GBが候補になります。どちらも小さな1スロット製品ですが、表示できる画面数と消費電力が異なります。RTX A400へ替える意味を、メーカーの仕様表に沿って見ていきます。
RTX A400とT400 4GBの仕様比較
ELSAのRTX A400資料とNVIDIAのT400データシートから、同じ4GB版のT400を比較対象にしました。T400には2GB版もあるため、購入時の型番確認が必要です。
| 項目 | RTX A400 | T400 4GB |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | Ampere | Turing |
| CUDAコア | 768 | 384 |
| GPUメモリ | GDDR6 4GB | GDDR6 4GB |
| メモリ帯域 | 96GB/s | 最大80GB/s |
| 単精度ピーク | 2.7TFLOPS | 最大1.09TFLOPS |
| 映像出力 | MiniDP×4 | MiniDP×3 |
| 最大消費電力 | 50W | 30W |
| 接続 | PCIe 4.0 x8 | PCIe 3.0 x16 |
CUDAコア数と単精度演算値はA400が上ですが、表の値をゲームfpsの倍率として使うことはできません。世代が異なるうえ、メモリやアプリの処理が結果に影響します。見積もりでは画面数と電源条件の差が、数字だけの性能差よりも直接役に立ちます。
4画面目と映像端子の差
NVIDIAのA400製品ページはMini DisplayPort 1.4aを4基、最大4画面を案内します。T400 4GBのデータシートはMini DisplayPort 1.4を3基、最大3画面です。4台目の画面をGPUから直接出したい人にとって、この1端子の差が決め手になります。いま3台で足りているなら、端子を増やす目的だけで更新する必要はありません。
A400は最大4台の4K画面を扱えますが、接続時はモニター側の端子も揃えます。ELSA版の付属MiniDP→DPアダプターは1個なので、4台とも標準サイズのDisplayPortを使うなら追加のケーブルやアダプターが要ります。HDMIディスプレイなら変換方式や対応解像度を合わせ、4K高リフレッシュレートを狙う場合はケーブル規格も確認します。
処理機能とメモリ容量
RTX A400は第2世代RTコア6基、第3世代Tensorコア24基を備えます。ELSA資料によると第7世代NVENCと第5世代NVDECを1基ずつ搭載し、AV1デコードも対応します。T400はNVIDIAの仕様書で384 CUDAコア、最大80GB/sと記載されており、RT/Tensorコアの記載はありません。CUDAを使う画像処理や対応アプリでの表示機能を考えると、A400の方が新しい機能を選べます。
両者の4GBメモリ容量は同じです。大きな3Dモデルや高解像度テクスチャで容量不足が出ている場合、A400へ買い替えてもメモリ上限は変わりません。容量そのものが問題なら8GBのRTX A1000に目を向ける方が筋が通ります。
電源と筐体の判断
T400 4GBは最大30W、A400は最大50Wです。どちらも小型ですが、既存のT400搭載システムにA400を差し込むなら20Wのカード電力差を織り込みます。A400の国内版は補助電源コネクタなしで、ELSA資料の推奨電源容量は300W以上。法人向け完成PCでは、PCIeスロットに割り当てられた電力と筐体メーカーの増設対応を基準にします。
T400は約156mm、A400のELSAボードは約164mmです。わずかな差ですが、短いケースでは干渉の原因になります。どちらもロープロファイル、1スロットでも、ブラケットの高さや隣接スロットの配線、ファン吸気側の空間まで考えると選びやすくなります。
価格と買い替えの結論
価格.comのAmazon掲載一覧では2026年10月3日更新のELSA版A400が38,472円、T400 4GBが39,880円でした。この掲載時点では新品価格が近く、4画面目や新しい処理機能を使うならA400が有利です。ただしT400をすでに所有しており、3画面と30Wで用途を満たしているなら差額を払う理由は限定的です。電力を抑えたい既存システムではT400を維持する判断も合理的です。
既存T400から移行する際の準備
T400で使っているMini DisplayPortケーブルは、A400でも同じ形状の端子に挿せます。差し替える前に、新しく増やす4台目のモニター用ケーブルと、ケース内のカード長を揃えます。A400のELSAボードは約164mmで、T400の仕様書にある約156mmより少し長くなります。奥行きが短い筐体では、この差がドライブケージとの干渉を生むため、増設寸法の判断に直結します。
次に、電源の余裕を20W増やして見積もります。T400の最大30Wに対してA400は50Wです。業務PCでメーカーが対応GPUを型番別に示しているなら、その表に載る構成が確実です。A400はPCIe 4.0 x8、T400はPCIe 3.0 x16と接続仕様も異なりますが、ELSAはA400用にPCIe 3.0 x16形状のスロットも認めています。古いPCでも、まずは空きスロットの形状と供給電力が設置を左右します。
まとめ
RTX A400は出力4基、96GB/s、50W。T400 4GBは出力3基、最大80GB/s、30Wです。4画面目と新しいRT/Tensor機能が必要ならA400、30Wの既存環境を維持するならT400が合います。接続するディスプレイの条件は4画面接続の記事で詳しく整理しました。
