長らくAMDの弱点とされてきたレイトレーシングが、Radeon RX 9070 XTで大きく変わりました。「NVIDIAに追いついたのか」「WQHDや4Kのレイトレは快適か」は気になる点でしょう。結論を先に言うと、RDNA 4でレイトレが大幅に向上し、WQHDは快適・4Kも射程に入った、が答えです。この記事ではRDNA 4のレイトレ進化、FSR 4との組み合わせ、そして競合との差を解説します。読み終えれば、レイトレを有効にして遊べるか判断できます。
RDNA 4でのレイトレ大幅向上
RX 9070 XTはRDNA 4世代の第3世代レイアクセラレータを積みます。AMDはこの世代でレイトレ処理の効率を大きく引き上げ、前世代のRDNA 3から性能を飛躍させました。これまで「AMDはレイトレが弱い」というのが定説でしたが、9070 XTでその評価は覆りつつあります。
レイトレは光の反射や影を物理的に計算する重い処理です。RDNA 4は専用のレイアクセラレータを強化することで、この重い処理をより高いフレームレートでこなせるようになりました。NVIDIAとの差は、確実に縮まっています。
WQHDのレイトレは快適
WQHD(2560×1440)でレイトレを有効にしても、9070 XTなら実用的なフレームレートを保てます。素の描画力が高いうえ、16GBのVRAMがレイトレ時の容量にも余裕を持たせます。レイトレを効かせた美しい映像を、WQHDで快適に楽しめるのは、RDNA 4の大きな進歩です。
4Kのレイトレも射程に入ります。設定を調整し、後述のFSR 4を併用すれば、4Kでもレイトレを実用フレームレートに乗せられます。
FSR 4との組み合わせ
レイトレの重さを補うのがFSR 4です。RDNA 4のAIアクセラレータを使うFSR 4で内部解像度を下げ、フレーム生成を併用すれば、重いレイトレも快適なフレームレートに近づきます。素の描画力の高さに、進化したレイトレとFSR 4が乗ることで、9070 XTはレイトレ機としても十分に戦えます。FSR 4の詳細はFSR 4の記事をどうぞ。
競合との差は縮まった
正直に言えば、最も重いレイトレやパストレーシングでは、依然としてNVIDIAの専用RTコアが有利です。競合のGeForce RTX 5070 Tiは、極端に重いレイトレで一歩前に出ます。
ただしその差は、RDNA 4で大きく縮まりました。通常のレイトレ設定なら、9070 XTでも十分に快適です。レイトレを最優先するなら5070 Ti、レイトレも含めた総合コスパなら9070 XT、という位置づけになります。比較はRTX 5070 Tiとの比較記事にまとめました。
レイトレを活かす設定の考え方
9070 XTでレイトレを楽しむなら、設定の組み立て方にコツがあります。高性能機とはいえ、レイトレは最も重い処理なので、闇雲に最高設定にするより、バランスを取る方が快適です。
- WQHDなら:レイトレを高〜最高に設定しても、FSR 4を「品質」で併用すれば快適なフレームレートを保てます。
- 4Kなら:レイトレを中〜高に調整し、FSR 4を「バランス」寄りにすると、実用フレームレートに乗せやすくなります。
- パストレーシング対応タイトルなら:最も重いので、FSR 4を積極的に使い、フレーム生成も併用します。
9070 XTは素の性能が高いぶん、レイトレでも設定の自由度が大きいです。FSR 4という強力な補助があるので、解像度と重さに合わせて設定を選べば、美しいレイトレ映像を快適なフレームレートで楽しめます。欲張りすぎず、FSR 4を上手に使うのが、このカードのレイトレ運用の鍵です。
まとめ|レイトレの弱点を克服した高性能機
RX 9070 XTのレイトレーシングは、RDNA 4の第3世代レイアクセラレータで大幅に向上し、WQHDは快適、4Kも射程に入りました。FSR 4を併用すれば、重いレイトレも実用域に乗せられます。最も重いレイトレでは依然NVIDIAが有利ですが、その差は縮まり、9070 XTはレイトレ機としても十分に通用します。AMDの弱点だったレイトレを克服した点は、大きな進歩です。
性能全体はWQHD・4K性能の記事、FSR 4はFSR 4の記事でどうぞ。
