BlenderのCyclesでTITAN RTXを使う価値は、OptiXでレンダリングできることと、24GBのVRAMにあります。大量のテクスチャや高密度の形状を持つシーンでは、演算速度より先にメモリ容量が制作の制約になります。購入判断には、同じシーンが収まるかと、レンダリング時間の両方を見ます。

TITAN RTXのCycles対応

TITAN RTXはNVIDIAのTuring世代で、24GB GDDR6とRTコア72基を備えます。BlenderのGPUレンダリングマニュアルは、NVIDIA製GPU向けのCUDAとOptiXを案内しています。Cyclesのデバイス選択でOptiXを使い、レンダープロパティーでGPU Computeを選ぶ構成です。GPUを選択する設定と、実際にどのエンジンで描くかを両方揃えます。

OptiXはレイトレーシング用の処理を利用します。TITAN RTXはRTコアを持つため対象に入ります。CUDAも選べるので、同じシーン・サンプル数・解像度・ノイズ除去設定のレンダリング時間が、二つのバックエンドの速度差を示す指標になります。

24GBが役立つシーン

BlenderのGPUレンダリングは、ジオメトリ、テクスチャ、BVHなどをGPUメモリへ置きます。大きなシーンが24GB内に収まれば、システムメモリへ逃がす処理を減らせます。12GBカードでテクスチャを縮小していた人なら、元の解像度を保ったまま作業できる余地が生まれます。反対に小さなシーンでは容量の余裕がレンダリング速度へ直結しません。

Blenderのマニュアルは、GPUメモリが満杯になった場合にシステムメモリの利用を試みることも説明しています。その経路に入ると、GPU内で完結する場合と同じ時間で終わるとは限りません。比較したい作業ファイルを一つ決め、レンダリング開始時とピーク時のGPU使用量を見れば、容量不足か演算速度不足かを切り分けられます。プレビューが軽くても最終レンダリング時にはサンプル数や解像度が増えるため、完成設定でのピークが判断材料です。

GamersNexusのレビューは、同社のBlender制作ファイルには11GBのRTX 2080 Tiに収まらずCPUレンダリングへ切り替えたものがあると述べています。これはTITAN RTXのレンダリング速度を測った結果ではありませんが、11GBを超えるシーンで24GBの容量が役立つ用途の具体例です。

公開ベンチマークの読み方

Blender Open DataのTITAN RTXページには、利用者が送信したレンダリング結果が掲載されています。Blenderの版、OS、CUDAかOptiXかによってテスト条件が異なります。公開値を見る場合は、同じ版とバックエンドの結果が参考になります。

NVIDIAの仕様表にある16.3TFLOPSはFP32の理論値で、Cyclesの秒数ではありません。レンダリングにはシーン構築、データ転送、光線追跡、ノイズ除去が含まれます。製品間の理論値が何割違うかだけで、完成までの時間を断定する根拠にはなりません。別の24GB製品と比べる場合はRTX 3090との比較も参照できます。

静止画1枚のレンダリングと、連続したアニメーションの書き出しでも重視点が異なります。アニメーションでは各フレームの処理時間の差が総時間に積み重なるため、代表的な数フレームで時間とVRAMのピークを測るのが有効です。テクスチャが切り替わる場面やジオメトリが増える場面も含めて確認します。

購入前の条件

カードはフルハイト2スロット、長さ10.5インチで、消費電力は280Wです。NVIDIAのユーザーガイドは650W以上の電源と8ピン補助電源2本を要求します。中古カードではファンの音と動作、映像出力、長時間レンダリング時の安定性を販売店の保証条件と合わせて確認します。じゃんぱらの掲載例は執筆時点で192,980円でした。

TITAN RTXは、Blenderで24GBを使い切る大きなシーンを持つ人に検討価値があります。小さなシーンでレンダリング時間を短くしたい人は、同価格帯の新しいGPUの実測も比較しましょう。設置条件はケースと冷却の記事で確認できます。