フレーム生成をオンにしてFPSが上がっても、画面の動きが思ったほど滑らかにならない。AMDはその滑らかさに関わる更新を、2026年10月20日に発表しました。対象はRadeon RX 9000シリーズのFSR Frame Generationです。
AMDはフレームの表示間隔を安定させる改善を案内しています。今回の発表で分かる対応条件と、同時に公開されたFSR Upscaling 4.1との違いを整理します。
AMDが発表したフレーム表示間隔の改善
AMDの発表は、FSR Frame Generationのフレームペーシングを改善すると明記しています。AMD Gamingの発表ページでは、Radeon RX 9000シリーズと、FSR Frame Generation 3.1.6/4.0.0以降に対応したゲームを対象として案内しています。
フレームペーシングは、描画された画像をディスプレイへ渡す時間間隔のことです。例えば120fpsという平均値でも、ある画像が長く表示され、次の画像がすぐ切り替われば、視点移動は均等に見えません。AMDはこの間隔をそろえ、対応ゲームの動きを滑らかにする狙いを説明しています。
| 今回確認できた項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善する機能 | FSR Frame Generationのフレームペーシング |
| AMDが案内したGPU | Radeon RX 9000シリーズ |
| 対応ゲームの条件 | FSR Frame Generation 3.1.6/4.0.0以降 |
| 独立実測 | 改善後のゲーム別測定値は、今回の発表資料に掲載されていません |
FPSと体感の差が生まれる理由
フレーム生成は、実際に描画した2枚の画像の間に中間画像を挿入します。AMDの技術資料によると、FSRはモーションベクトルや前後の画像情報を使って中間フレームを作ります。画面上のFPSカウンターが数える枚数は増えますが、表示間隔まで均等かどうかは別の指標です。
たとえば元の描画が60fpsなら、元フレームは約16.7ミリ秒ごとに生まれます。中間フレームを1枚入れて120fps相当にすると、理想的な表示間隔は約8.3ミリ秒です。元のフレームと生成フレームの表示時間が大きくずれると、120fpsという数字のわりに動きがぎくしゃくします。これは仕組みを説明する計算例で、特定のゲームを測定した値ではありません。
AMDの技術資料は、フレーム生成前の描画速度として60fps以上を推奨しています。元の描画が低すぎると補間画像の乱れが目立ちやすいためです。今回の改善が対象とする表示間隔の問題と、元フレームの不足による画質や操作感の問題は分けて捉えると、設定を決めやすくなります。
対象GPUとゲーム側の条件
AMDが今回のフレームペーシング改善について挙げたのはRadeon RX 9000シリーズです。例えばAMD Radeon RX 9070 XTやAMD Radeon RX 9060 XT 16GBは、このシリーズに含まれます。AMDのFSR SDK資料でも、機械学習を使うFSR Frame Generation 4系はRX 9000シリーズ向けと整理されています。
ゲーム側はFSR Frame Generation 3.1.6/4.0.0以降の実装が条件です。同じゲームでも、搭載するFSRの版によって扱いが変わります。AMDのGPUOpen資料によれば、ゲームが適切なFSR APIを使う場合、Adrenalinドライバーからフレーム生成機能の版を更新する仕組みもあります。ゲーム内に表示されるFSR Upscalingの版だけを見て、フレーム生成側の対応を判断することはできません。
今回AMDが案内した改善の対象はRX 9000シリーズです。GPUOpenは、RX 7000シリーズやRX 6000シリーズなどで使う解析型FSR Frame Generationを、機械学習型とは別の実装として整理しています。旧世代GPU向けに今回と同じフレームペーシング更新を提供する予定は、AMDの発表に記載されていません。
FSR Upscaling 4.1との違い
同じ10月20日の発表では、FSR Upscaling 4.1の対応機種も拡大しました。アップスケーリングは低い内部解像度から画像を再構成する機能で、フレーム生成は中間画像を挿入する機能です。名前が似ていても、変更の対象と利用条件は別々です。
AMDのニュースリリースでは、FSR Upscaling 4.1をRX 6000シリーズやRyzen AI Maxなどへ広げ、Adrenalin Edition 26.10.1で提供したと説明しています。フレームペーシング改善はRX 9000シリーズの対応ゲームが対象です。2つの更新は対象GPUが異なります。
まとめ
AMDはRX 9000シリーズのFSR Frame Generationについて、対応する版を組み込んだゲームで表示間隔を安定させる改善を発表しました。平均FPSだけでは見えにくい滑らかさへ手を入れる更新です。具体的な改善幅は今後のゲーム別測定で明らかになります。
FSR Upscaling 4.1の対象拡大は別の更新です。RX 6000シリーズでの導入条件を知りたい方は、FSR 4.1対応の記事もご覧ください。
