Radeon PRO W7600とRadeon RX 7600は、どちらもRDNA 3、2,048基のストリームプロセッサ、8GBのGDDR6メモリを備えます。用途を分ける鍵は、ボード設計、消費電力、映像端子、そしてプロ向けソフトの認定にあります。ゲーム用PCと業務用ワークステーションでは、同じ8GBでも買う理由が異なります。

共通するGPU仕様と異なるボード

W7600のAMD公式仕様とRX 7600のAMD公式仕様を同じ項目で並べると、両者は32 CU、32基のレイアクセラレーター、64基のAIアクセラレーター、8GB・128bitのGDDR6、最大288GB/sのメモリ帯域幅で一致します。W7600のFP32理論ピークは20TFLOPS、RX 7600は21.7TFLOPSです。理論ピークの差だけで実際のゲームやCADの速度を決めることはできません。

項目 Radeon PRO W7600 Radeon RX 7600
主な用途 ワークステーション、業務用アプリ フルHDゲーム、一般向けPC
メモリ GDDR6 8GB、128bit GDDR6 8GB、128bit
AMD公表電力 TBP 130W 標準ボード電力165W
AMD推奨電源 最低500W 最低550W
AMD記載の基準寸法 全高・241mm・1スロット 長さ204mm・2スロット
映像端子 DisplayPort 2.1を4基 DisplayPort最大2.1、HDMI 2.1

寸法はAMDの基準カードについての値です。販売されるRX 7600の各社製カードはクーラーと基板が異なるため、寸法も販売型番ごとに変わります。W7600は1スロットで4画面を直接つなぐ業務機の構成に合い、RX 7600は短い基準カードと一般的なHDMI接続を持つゲームPCに組み込みやすい設計です。

ドライバーと認定の違い

W7600向けのAMDサポートページにはAMD Software: PRO Editionが掲載されています。2026年10月時点のページでは26.Q3が案内され、通常のAdrenalin Editionの欄もあります。PRO Editionは業務用アプリでの検証と安定運用を重視する選択肢です。一方、RX 7600はゲーム向けAdrenalin Editionを軸に、タイトル別の最適化を受けます。

SOLIDWORKSの認定ハードウェア一覧には、W7600を搭載したDell Precision 3660、Windows 11、SOLIDWORKS 2026、AMD 25.Q3.1という組み合わせが載っています。認定はPC機種、OS、ソフトの版、ドライバーを含む構成で示されます。職場で対象ソフトのサポート条件を満たしたいなら、W7600を選ぶ理由がここにあります。

制作アプリの実測とゲーム用途

Puget Systemsの実機検証は、W7600をPremiere Pro、DaVinci Resolve、Unreal Engine、Blenderで測りました。DaVinci ResolveのGPU効果スコアはW7600で63、比較したRTX A2000で58。制作アプリごとに性能差を見て選べます。同じ検証は、Blenderの最終画像レンダリングではRTX A2000側が強いとも報告しています。

RX 7600はAMDが1080pゲーム向けとして案内する製品です。両カードのストリームプロセッサ数が同じでも、W7600のPROドライバー、1スロットの冷却、130Wの電力枠は、RX 7600の一般向け設計とは異なります。21.7対20TFLOPSという理論値の差からゲームfps差は求められません。ゲーム中心ならRX 7600の実ゲーム測定を、CAD中心なら認定構成とCADの実測を比較するのが筋です。

購入価格と接続機器

国内価格でも用途の差が現れます。2026年10月のパソコンSHOPアークのW7600掲載価格は税込153,780円で、手配品として表示されています。RX 7600は一般向け量販モデルが複数あり、同じ価格帯を前提にした単純な性能比較にはなりません。W7600の価格には4基のDisplayPort、プロ向け製品としての構成、ソフト認定を使う業務が見合います。

画面を4台並べる設計現場ではW7600のDisplayPort 4基が分かりやすい利点です。HDMIモニター中心のゲーム用デスクではRX 7600の端子構成が自然です。また、W7600は全高のためロープロファイル専用ケースには収まりません。薄い1スロット設計と、筐体全体の高さは別の寸法です。

まとめ

RX 7600はフルHDゲーム向け、W7600はCADや複数画面の業務環境向けです。コア数とメモリが共通でも、最適化対象とカード形状が選択を決めます。W7600を仕事用に組むなら、CADの認定と実測でソフトとの組み合わせを、カード寸法で筐体への収まりを確認できます。