Radeon Pro W7900は、DisplayPort 2.1を3基、Mini DisplayPort 2.1を1基備えています。物理的な映像出力は合計四つで、AMDは複数の高解像度ディスプレイを使う構成を公表しています。四画面の解像度とリフレッシュレートは、DSCと接続機器の条件で決まります。AMDの公式仕様に記載された条件をもとに、4画面の組み方を確認します。

背面端子の構成

標準W7900の映像端子はフルサイズのDisplayPort 2.1が三つ、Mini DisplayPort 2.1が一つです。4台をつなぐなら四つの出力をそれぞれ使います。四台目だけMini DisplayPortのケーブルか、適切な変換アダプターが必要になります。端子の形が異なる点を見落としてフルサイズのDisplayPortケーブルを四本用意しても、四本目を直接は挿せません。

国内販売元の製品情報でも端子数を確認できます。カード側がDisplayPort 2.1でも、画面側が対応する入力を持たない場合は、その画面側の条件で接続が決まります。HDMI入力しかないディスプレイを使うなら変換アダプターの対応解像度とリフレッシュレートを個別に調べます。高解像度・高リフレッシュレートを狙うほど、ケーブルやアダプターの仕様が重要です。

AMDが示す高解像度の条件

AMDのW7900ページは、DSCを使う条件で4台の4K DCIディスプレイを120Hzで動かす構成を挙げています。また、非圧縮の12ビット出力では6K 60Hzを2台、8K 60Hzを1台という構成を示します。

DSCはDisplay Stream Compressionという映像伝送の圧縮方式です。4K DCIを四台・120Hzで使う例はDSCの利用が条件で、非圧縮の6Kや8Kの例と混同しません。画面側がDSCを受けられるか、ケーブルの伝送条件を満たすか、ドライバーで意図した表示モードが選べるかを揃える必要があります。実際の表示モードはモニターの入力仕様とケーブル、ドライバーの設定まで含めて決まります。

接続条件ごとの整理

目的 AMDが示す構成 接続時に見る項目
四つの作業画面 4K DCI・120Hzを4台 DSC対応、4本の接続経路
非圧縮の大画面 6K・60Hz・12ビットを2台 各画面の入力とケーブル
一台の高解像度画面 8K・60Hz・12ビットを1台 表示装置の対応モード

4K DCI・120Hzの四画面は、4096×2160の映像を四台へ同時に送る構成です。AMDはこの条件にDSCを付けています。60Hzの事務用画面を四台並べる用途なら、公式の120Hz上限を常に使う必要はありません。各画面で実際に使う解像度とHzを決めると、必要な伝送条件を絞れます。

4K DCIは4096×2160、一般的な4K UHDは3840×2160です。横幅が違うため、映像制作用のモニターを選ぶときは製品仕様の画素数まで見ます。欲しい画面構成を一行に定めれば、必要なDSCとケーブルの仕様を調べやすくなります。

Mini DisplayPort側の扱い

四台目のMini DisplayPortはコネクターが小さいだけで、W7900の公式仕様ではDisplayPort 2.1として扱われています。フルサイズ側だけを先に三台接続し、四台目はMini DisplayPort対応ケーブルでつなぐと構成が明確です。変換アダプターを挟む場合は、アダプターが扱える解像度・Hz・DSCを確認します。画面側にDisplayPort入力があれば、必要な接続経路を短くまとめられます。HDMIへ変換する構成では、変換アダプター側の上限が表示モードを決めます。

まとめと4画面の設計

CADの作業画面、参照資料、会議、プレビューを別々のモニターに出す場合、最初に各画面の解像度と入力端子を一覧にします。次に最大リフレッシュレートと必要な色深度を決めます。四台とも60Hzで十分なのか、編集用の一台だけ高リフレッシュレートが必要なのかで、ケーブル選びが変わります。色を扱う仕事では、GPU端子の数だけでなく、画面の色再現とキャリブレーションも作業環境に関わります。

四台のうち一台が映らない場合は、Mini DisplayPort変換の仕様、ケーブル、モニターの入力設定を順に切り分けます。高解像度画面が想定より低いHzで動くときは、DSCと色深度、アダプターの上限を確認します。モニターの接続テストと、制作ソフトが48GBを必要とするかの判断は別に行います。画面出力だけが目的なら、W7900の演算性能やメモリ容量まで必要かを再検討できます。

標準版は3スロット厚で、映像入力カードなどを同じPCへ載せると占有が問題になる場合があります。映像入力カードも搭載するなら、2スロット厚のDual Slot版が空きスロットを確保しやすくなります。W7900の4画面運用は端子数の点で可能ですが、実際の解像度とHzは各画面まで含めた接続条件で決まります。