NVIDIA RTX A4000からRTX 4000 Ada Generationへ更新すると、VRAM容量、演算性能、動画エンコード機能が変わります。どちらも1スロットのワークステーション向けGPUですが、仕事の種類によって効く差は異なります。NVIDIAが公開する両製品の仕様を同じ項目で並べ、Blenderの公開ベンチマークも参考値として扱います。

A4000と4000 Adaの仕様比較

項目 RTX A4000 RTX 4000 Ada Generation
世代 Ampere Ada Lovelace
GPUメモリ 16GB GDDR6、ECC対応 20GB GDDR6、ECC対応
CUDAコア 6,144基 6,144基
RTコア / Tensorコア 第2世代48基 / 第3世代192基 第3世代48基 / 第4世代192基
FP32ピーク 19.2TFLOPS 26.7TFLOPS
メモリ帯域幅 448GB/s 360GB/s
最大ボード電力 140W 130W
エンコード / デコード 各1基、AV1デコード 各2基、AV1エンコード・デコード
映像端子 DisplayPort 1.4a×4 DisplayPort 1.4a×4
外形 約9.5インチ長、1スロット 約9.5インチ長、1スロット

A4000の値はNVIDIA日本語データシートとELSA公式仕様を参照しました。Ada側はNVIDIA製品ページとRTX 4000 Adaデータシートの値です。FP32はどちらもブーストクロックに基づくピーク性能であり、実際の作業時間と同じ比率で変わる値ではありません。

VRAMと演算性能の差

4000 Adaは20GBで、A4000より4GB多くGPU内へデータを置けます。大型のBlenderシーン、CADの可視化、ローカルLLMの長いコンテキストでは、この差が処理できるデータ量に直結します。A4000の16GBで収まる仕事なら、容量差だけで更新効果は決まりません。CUDAコア数は両方6,144基ですが、Ada世代は演算性能の公称ピークが26.7TFLOPSへ上がっています。RTコアとTensorコアの世代も新しくなりました。

メモリ帯域幅はA4000の448GB/sに対して、4000 Adaは360GB/sです。データ転送が負荷の中心になる仕事では、このA4000側の数値も比較材料になります。GPUメモリ容量、演算性能、帯域幅を別々に見ると、用途に合う方を選べます。16GBの用途別スペックも参照してください。

Blenderの公開スコア

Blender Open DataのA4000ページは中央値3116.63、590件の投稿です。4000 Adaページは中央値4450.75、71件の投稿。比は約1.43倍です。同じサイトの集計値なので世代間の目安になりますが、同一PCで同じ制作シーンを処理した比較ではありません。実際の描画時間はシーン、VRAM容量、レンダー設定に従って変わります。Blender向けの記事ではOptiXとメモリの関係を詳しく説明しています。

動画編集と設置条件

A4000がAV1をハードウェアでデコードできるのに対し、4000 AdaはAV1のエンコードにも対応します。AV1を書き出す仕事や複数ストリームを並列処理する環境では、エンコード2基・デコード2基のAda側が適しています。H.264・HEVC中心の既存ワークフローなら、現在のA4000を使い続ける判断もできます。動画編集の記事にコーデックごとの違いをまとめました。

両モデルとも約9.5インチ長の1スロットで、DisplayPort 1.4aを4基備えます。最大ボード電力はA4000が140W、4000 Adaが130W。どちらも省スペースのワークステーションで候補になりますが、補助電源コネクタは販売するカードの仕様で合わせます。A4000のELSA版はPCIe 6ピン1本です。既存PCから移行する際は電源ケーブルまで同じと仮定せず、購入するAda版の実装を確認します。

数値の読み分け

FP32ピークは4000 AdaがA4000の約1.39倍、Blender Open Dataの中央値は約1.43倍です。近い比率ですが、前者は演算器の公称ピーク、後者は投稿ベンチマークの集計値です。同じ意味の指標ではありません。容量を超えるシーンでは20GBという条件そのものが効き、映像制作ではAV1エンコーダーの有無が効きます。用途ごとに指標を選ぶのが比較の中心です。

まとめ

16GBで仕事のデータが収まり、AV1書き出しを使わないなら、A4000の継続利用に理由があります。20GBの容量、より高いFP32ピーク、AV1エンコードが必要なら4000 Adaの仕様が合います。更新費用を考える前に、現在の制作シーンが容量・描画時間・映像形式のどこで制約を受けているか整理すると、違いを投資へ結びつけられます。