RTX PRO 6000 Blackwell Max-Qの最大消費電力は300Wです。600Wの通常版より電力枠を半分にしたため、複数GPUを収めるワークステーションの設計に向きます。電源ユニットの容量はGPUの300Wだけでは決まらず、CPUやメモリ、周辺機器の負荷を合わせて考える必要があります。まずNVIDIAのデータシートに書かれたカード単体の条件を押さえます。

カード単体の電力条件

項目 公式仕様
Total Board Power 300W
補助電源 PCIe CEM5 16ピン ×1
ホスト接続 PCIe 5.0 x16
カード寸法 高さ4.4インチ、長さ10.5インチ、2スロット
冷却 アクティブ式

300WはGPUカード全体の公称最大値です。補助電源端子の種類はPCIe CEM5 16ピン1個で、国内販売代理店の仕様表でも確認できます。電源ユニットを選ぶときは、この端子へ対応したケーブルを確保し、カードに付属する資料や電源メーカーの配線条件に従って接続します。電源容量はGPU以外の部品負荷も足して決めます。

PCIe 5.0 x16はデータ転送の規格で、補助電源の16ピンとは別の仕様です。データ用スロットと電源ケーブルの両方が必要になります。GPUが物理的に2スロットへ収まっても、補助電源ケーブルの曲げとサイドパネルの間に空間が必要です。カード長は約267mmなので、ケースの対応カード長と内部のストレージケージ配置も一緒に確認できます。

電源容量の積み上げ方

1枚構成ではGPUの300WへCPU、メモリ、マザーボード、ストレージ、ファンの消費を足します。CPUのモデルと制限電力を固定しないまま「何Wの電源なら十分」と一律に決めることはできません。たとえばCPUとその他の部品が負荷時に合計400Wを使う構成なら、GPUと合わせた部品側の公称・想定負荷は700Wです。電源容量の選定には、その値に起動時や負荷変動への余裕を持たせます。先の700Wの計算例なら、定格850Wで150W、1,000Wで300Wの定格上の余裕があります。実際の選定ではCPUの電力設定、起動時の挙動、電源のケーブル数、将来の増設も考慮します。

Max-Qを2枚使うとGPUの公称最大値は600W、4枚では1,200Wです。通常版は1枚で600Wなので、同じGPU電力枠にMax-Qを2枚配置できる計算になります。実際の電源ユニット選びでは補助電源端子を枚数分備え、CPU側の電源端子と負荷も含めて選びます。4枚構成は高密度ワークステーションの領域です。電源ユニットの定格出力と16ピンの接続本数を両方満たす必要があります。

CPU、メモリ、ストレージなどの負荷を先ほどの仮定どおり合計400Wに固定すると、台数別の部品負荷は次のようになります。

Max-Qの枚数 GPU分の公称最大値 GPU以外も含む計算値
1枚 300W 700W
2枚 600W 1,000W
4枚 1,200W 1,600W

表の1,600Wは、GPU以外を400Wと仮定したときの部品負荷です。電源ユニットの定格はCPU側の実際の電力設定を使い、負荷変動への余裕を加えて選びます。ワークステーションではPCIeスロットの給電と各カードの補助電源を同時に用意するため、出力の合計と端子構成の両方を仕様書で合わせます。

ブロワー冷却と風路

NVIDIAの製品ページは最大4基を1台へ搭載できる設計を示します。Max-Qはブロワー式のクーラーを使い、カード周辺から吸った空気を背面へ排出します。通常版のパススルー式では、上側のカードが下側の熱気を吸いやすくなります。電力枠300Wと排気方式の両方が、複数枚を組む際の利点です。

ただし密着配置ではファンへ入る空気が減ります。Puget Systemsの実機検証は、カード間に1スロット空ける配置が理想とし、カード背面のメモリチップへ流れる空気も重視しています。マザーボードの物理スロット間隔とケースの吸排気設計が、長時間の性能を左右します。2枚目を加えると、GPU分の公称最大負荷は300Wから600Wに増えます。2スロット厚のカードを隣接させる配置では吸気が狭くなるため、Puget Systemsが推奨する間隔を取れるスロット配置を選びます。

300W設計の性能面

300Wは単なる省電力表記ではなく、持続的な高負荷処理でGPUが使える電力の上限です。Puget Systemsの制作アプリ測定では、Max-Qは600Wの通常版より多くの処理で5~14%低い性能でした。一方、電力枠は半分です。単体処理の最速より設置台数と電力密度を重視する場合、300W設計に合理性があります。1枚しか使わず電源と冷却に余裕がある場合は、通常版を検討する理由も明確になります。

構成の結論

Max-Qの電源計画は、GPU1枚当たり300Wと16ピン端子1個を起点に、CPUなどの負荷を足して決めます。2枚以上ではGPU電力の合計だけでなく、各カードの吸気間隔を確保できるかも見ます。具体的な台数と配置を詰めるなら4枚構成の記事へ、単体性能との交換条件を確認するなら通常版との比較へ進んでください。