ローカルAI用にGPUを複数枚使いたい場合、カードの組み合わせだけでなく、CPU、拡張スロット、電源まで含む構成が課題になります。Tiny Corpは、GPUを選んで構成できる新型「tinybox」を公開しました。4基のRadeon RX 9070 XTを追加する選択肢があり、最小構成のG4に組み合わせた表示価格は1万1000ドルです。公開された仕様と価格を整理します。

新型tinyboxのGPU構成

Tiny Corpの構成ページでは、G4とG5の2つのプラットフォームを選び、メモリ、追加ストレージ、GPUを組み合わせられます。GPUなしも選択可能です。GPU欄には4基のAMD Radeon RX 9070 XTのほか、GeForce RTX 5090の1基または2基、NVIDIA RTX 6000の1基または2基が並びます。RTX 6000については、構成ページに世代名が書かれていません。

GPUの選択肢 基本構成への追加表示額 GPUメモリの表記
GPUなし 0ドル なし
Radeon RX 9070 XT ×4 4000ドル 16GB ×4
GeForce RTX 5090 ×1/×2 8000ドル/1万6000ドル 32GB/64GBの合計
NVIDIA RTX 6000 ×1/×2 1万9000ドル/3万8000ドル 96GB/192GBの合計

価格とGPUメモリの表示は、Tiny Corpの構成ページで使われるデータに基づきます。Radeonの4000ドルは4基セットでの追加額です。VideoCardzも10月9日に同じ構成と価格を報じています。掲載価格は米ドル表示で、配送費や日本への輸入時の税負担を含む国内価格ではありません。

G4とG5の違い

G4の最小構成は7000ドルで、32コアの水冷EPYC、32GB DDR4、PCIe 4、1TBの起動用SSD、1700W電源を備えます。G5は1万2000ドルからで、EPYC Genoa、32GB DDR5、PCIe 5を採用します。G4の標準ネットワークは1GbEが2ポート、G5は10GbEが2ポートです。両プラットフォームともサーバー向けマザーボードとBMCを備え、最大4基のGPUスロットを用意しています。

最小構成 G4 G5
本体価格 7000ドル 1万2000ドル
CPU 32コアEPYC 32コアEPYC Genoa
システムメモリ 32GB DDR4 32GB DDR5
PCIe世代 4 5
標準ネットワーク 1GbE ×2 10GbE ×2
Radeon RX 9070 XT ×4追加時 1万1000ドル 1万6000ドル

上表の追加後の価格は、基本構成にRadeon 4基の4000ドルを足した額です。G4ではシステムメモリを128GB、G5では192GBまで選べます。追加ストレージには4TBまたは16TBのRAID構成もあります。G4とG5では、CPUプラットフォームとPCIe世代も選べます。

Radeon 4基のメモリ容量と使い道

AMDの公式仕様によると、Radeon RX 9070 XTは1基あたり16GBのGDDR6を搭載します。4基のGPUメモリは合計64GBで、各GPUが利用できるのは16GBです。1つのモデルや処理を複数GPUへ分散するには、使用するソフトウェア側の対応と分割方法が必要です。各GPUで別々の処理を走らせる構成なら、4基を並列の作業枠として使えます。

この違いは、ローカルLLMのモデル選びに直結します。1基の16GBへ収まるモデルを4つの処理で使う場合と、16GBを超える1つのモデルを複数GPUへ分割する場合では、必要な設定も転送量も異なります。tinyboxの構成ページに、特定のLLMの動作速度は掲載されていません。性能を判断する段階では、目的のソフトウェアが複数のRadeonを使えるかが具体的な分岐点になります。

価格と購入条件

最も安いG4にRadeonを4基追加すると、GPU追加分は本体価格の約57%に相当します。GPUなしのG4も選択でき、GPU代を含まない本体価格と、4基を含む構成の価格を分けて比較できます。GPUを組み込んだ状態で必要な電源や冷却をまとめて選べる点が、この構成ページの特徴です。

Tiny Corpは公式ページで受注製作と案内し、出荷までの目安を1〜8週間としています。配送先は注文画面に表示される国に限られ、支払いは銀行送金の案内です。日本円の販売価格と国内代理店の案内はありません。

まとめ

新型tinyboxは、7000ドルからのG4と1万2000ドルからのG5を土台に、GPUを選ぶAI向けワークステーションです。Radeon RX 9070 XTを4基追加すると表示価格はそれぞれ1万1000ドル、1万6000ドル。4基のVRAMは合計64GBですが、1つの処理を複数GPUにまたがって動かすにはソフトウェアによる分散が必要です。導入を検討するなら、まず使いたいLLMの容量と実行ソフトの複数GPU対応を決めると、4基構成が必要かを判断しやすくなります。