RX 9070 XTをUbuntuでローカルAIに使う場合、ROCmとカーネルの対応をそろえると導入を進めやすくなります。AMDはROCm 10.1向けにUbuntuの版とカーネルを明示しています。この記事ではその組み合わせ、インストール方式、GPU認識の確認をRX 9070 XTに絞って説明します。
ROCm 10.1が示すUbuntuの組み合わせ
AMDのROCm 10.1互換性表でRX 9070 XTはRDNA 4、LLVMターゲットgfx1201に該当します。Radeonに対して示されたUbuntuは26.04.1、24.04.5、22.04.5です。カーネル欄は順にGA 7.0、HWE 7.0、HWE 6.8となっています。OSの数字だけを合わせても、カーネル系列が異なると互換性表と同じ構成にはなりません。
| Ubuntu | AMDが示したカーネル系列 | RX 9070 XTのROCm 10.1用途 |
|---|---|---|
| 26.04.1 | GA 7.0 | 対応表に掲載 |
| 24.04.5 | HWE 7.0 | 対応表に掲載 |
| 22.04.5 | HWE 6.8 | 対応表に掲載 |
この表には、AMDが検証したUbuntuの構成が載っています。ゲームの描画だけを目的とするドライバー選びと、ROCmの計算環境を作る作業では参照する表が異なります。ROCmで使うPCなら、最初に現在のUbuntuとカーネルを調べ、表の組み合わせに合わせると作業を始める条件が確定します。
インストール方式の選び方
AMDのROCm 10.1導入ページはLinuxでパッケージマネージャー、amdgpu-install、pip、tarballなどを案内します。Radeon向けのamdgpu-install方式は、GPUドライバーとROCmを使う目的に合わせてまとめて導入できる経路です。AMDが示す計算とグラフィックスの構成には、--usecase=rocm,graphicsを指定する例があります。インストール後は再起動が必要です。
Pythonで推論や画像生成を試すだけなら、pipで仮想環境へROCm関連パッケージを入れる方法もあります。ただし、その場合もGPUを扱うカーネル側のドライバーは別に整っている必要があります。tarball方式は決まった場所に一式を置く構成で、システム全体のパッケージと分けたいときに使えます。どの方式でも、ROCm 10.1と対応するGPU・OSの組み合わせを先に決める点は共通です。
ROCmのインストールはGPUのアクセス権にも関係します。AMDの説明では、ユーザーをrenderとvideoグループへ追加する方法と、udevルールでアクセスを設定する方法があります。ログイン中のセッションにはグループ変更がすぐ反映されないため、設定を終えた後に再ログインか再起動を行い、それからGPUを使うアプリを起動します。GPUは見えているのに利用できない場合、この権限の層が切り分けの対象です。
RX 9070 XTを認識したか確かめる方法
導入後の確認は、OSがカードを認識している段階、ROCmがgfx1201を列挙できる段階、アプリがGPUで計算する段階に分けると明快です。AMDのllama.cpp向けROCm手順では、まずデバイス一覧に「AMD Radeon RX 9070 XT」と空きメモリが出ることを確かめ、次にGGUFモデルで短いベンチマークを実行する手順を示しています。
AMDが示したデバイス表示例は約16GBのVRAMです。製品仕様の16GBとほぼ一致しますが、画面表示などで使用中の分だけ空きは小さくなります。モデルを選ぶときは空きVRAMを基準にし、重み以外のKVキャッシュや一時領域も残します。ディスプレイも兼ねるPCなら、その分を差し引いた設定が必要です。
内蔵GPUとRX 9070 XTを同じPCで使っていると、計算デバイスの一覧に複数行が出ることがあります。AMDのllama.cpp手順はHIP_VISIBLE_DEVICESで対象を絞る例を載せています。GPU名を見てから対象を指定すれば、内蔵GPUを選んだまま推論を始める混乱を避けられます。設定後は実際の生成中にGPUのメモリ使用量も見れば、どちらのGPUが動いているか判断できます。
Ubuntu上での用途別の次の一歩
RX 9070 XTをPythonから使うなら、ROCm対応のPyTorchを仮想環境へ入れ、短いテンソル計算でGPUが使われているか試します。画像生成はComfyUI、GGUFモデルの対話ならllama.cppやOllamaへ進めます。これらのアプリは同じGPUを使っても、配布するライブラリと対応するROCmの版が違うため、アプリの公式手順を一つ選んで組み立てると再現しやすくなります。
OSの更新後にアプリがGPUを見失ったときは、Ubuntuの版、カーネル、ROCm、アプリの版の順に現在値を確認します。AMDの互換性表と照らすことで、単に「RX 9070 XTに対応」と書かれた古い手順よりも、今の構成に合う経路を選べます。
まとめ
ROCm 10.1でRX 9070 XTを使うUbuntu環境は、AMDが示すOSとカーネルの組み合わせから選びます。amdgpu-installなどで計算基盤を導入し、GPUアクセス権を設定したら、デバイス列挙と短いモデル実行で確認します。LLMを使うならOllamaまたはllama.cppの記事が次の手順になります。
