WindowsのRadeonでローカルAIを動かしたい人にとって、対応ドライバーとROCm本体の組み合わせは分かりにくいところです。AMDは10月5日、ROCm 10.1向けの専用Adrenalinドライバーを公開しました。対応するGPU、Windowsの条件、導入時に必要な作業を、AMDのリリースノートと互換性表から整理します。

ROCm 10.1向けドライバーの公開内容

AMDが公開した「AMD Software: Adrenalin Edition for ROCm 10.1」は、Windows上でROCm 10.1を使うためのRadeon向けドライバーパッケージです。AMDのリリースノートは2026年10月5日付で、ドライバー版を26.10.41.05、Windows Driver Store版を32.0.31041.5005と記載しています。海外メディアのPC Games Hardwareも、同じ版と対象製品を報じました。

ROCmはGPUを画像生成や大規模言語モデル、機械学習の計算に利用するためのソフトウェア基盤です。今回の配布物は、その基盤と組み合わせるWindows用ドライバーに当たります。AMDはドライバーを入れた後、ROCmの導入手順へ進むよう案内しています。利用するAIアプリも別途導入します。

今回のリリースノートでAMDが掲げたハイライトは「ROCm 10.1 Support」です。更新の主眼はRadeonによるGPU計算環境の整備にあります。

対応GPUの範囲

AMDが示したドライバーの対応製品群は次のとおりです。たとえばAMD Radeon RX 9070 XTはRX 9000シリーズ、AMD Radeon AI PRO R9700はAI PRO R9700シリーズに属します。

AMDが列挙した製品群 ドライバーの対応欄
Radeon RX 9000シリーズ 記載あり
Radeon AI PRO R9700シリーズ 記載あり
Radeon RX 7900・7800・7700・7600シリーズ 記載あり

この表は今回の専用ドライバーの対応範囲を示します。個別モデルで利用できるROCmの機能やフレームワークは、AMDが公開するROCm 10.1互換性表でさらに分かれます。GPUの世代が同じでも、アプリが使うライブラリとWindows側の対応状況がそろって初めて、その用途で動作する構成になります。

AMDのROCm互換性表にはLinux向けの製品群も載っています。Windows環境で利用する際は、対応製品群に加えてWindowsの列を照合します。

Windowsの対応条件

AMDのドライバーのリリースノートには、Windows 11の21H2以降と、64ビット版Windows 10の1809以降が記載されています。一方、ROCm 10.1全体の互換性表でRadeon向けWindows環境として挙がるのはWindows 11 25H2です。ドライバーをインストールできるOSの範囲と、ROCm一式の検証済み環境は異なります。

Windows 11 25H2を使うRadeonユーザーは、ROCm 10.1の互換性表と今回のドライバー版を対応づけて導入できます。Windows 10や古いWindows 11を使っている場合、AMDのドライバーページにはOSが載っていても、ROCm 10.1のRadeon向け互換性表に同じ構成は示されていません。GPU計算を目的とするなら、使用するOS、GPU、ROCm版の3点を互換性表の組み合わせに合わせる必要があります。

ROCm本体とAIアプリの位置づけ

ROCm 10.1の公開ノートでは、AI推論、開発ツール、性能解析の更新が中心に挙げられています。対応するフレームワークの版として、PyTorch 2.14.0、JAX 0.11.1、vLLM 0.29.0などを示しています。フレームワークごとの対応GPUとOSは、AMDの互換性表にまとめられています。

導入の順序は明快です。まずAMDのリリースノートから対象ドライバーを入れ、次にROCm 10.1の公式インストール手順で必要なコンポーネントを入れます。その上で、使うAIアプリが対応するROCm版を確認します。ローカルAIの用途でカードを選ぶ場合は、GPU名だけでなく、VRAM容量とアプリ側の対応も判断材料になります。

AMDのリリースノートは性能比較値を示していません。今回確認できるのは、ROCm 10.1向けWindows用ドライバーの公開と対応製品の範囲です。

まとめ

AMDはROCm 10.1向けWindows用ドライバー26.10.41.05を公開し、RX 9000、AI PRO R9700、RX 7900・7800・7700・7600シリーズを対応製品として示しました。ドライバー自体のOS表記は広い一方、ROCm 10.1のRadeon向け互換性表はWindows 11 25H2を示しています。ローカルAI環境を組む人は、AMDの互換性表で手元のGPUとOSの組み合わせを特定し、ROCm本体と使うアプリの対応版へ進んでください。