対応状況の確認

Radeon AI PRO R9700はAMD ROCmの対応GPUとして案内されています。2026年9月23日に確認したROCm 10.0.0リリース情報にはR9700が記載されています。Linux向け対応表でGPUとディストリビューションの組み合わせを照合し、利用するPyTorch版も確認してください。

ROCm 10.0系のLinux対応表でR9700が挙げられているディストリビューションは、Ubuntu 26.04、Ubuntu 24.04.4、Ubuntu 22.04.5、RHEL 10.2、RHEL 9.8です。対応表は更新されるため、OSのポイントリリースやカーネルを固定した構築では、作業直前に公式ページを再確認します。別のディストリビューションで動作したユーザー報告があっても、AMDの検証対象と同じ条件だとは限りません。

ROCmとPyTorchの導入手順

セットアップは、ドライバー、ROCm、PyTorchを互換性のある組み合わせにするのが基本です。AMDのROCm導入ページでは、GPUとOSを確認して導入手順を選べます。

  1. AMDのLinuxシステム要件でR9700と対象ディストリビューションを確認する。
  2. 指定された方法でAMD GPUドライバーを導入し、再起動する。
  3. AMDのROCm導入ガイドに従ってROCmを追加する。
  4. AMDのPyTorchインストール表でRadeon GPU、gfx1201、Linux、利用するROCm版を選ぶ。
  5. 推論ソフトを追加する前にGPU認識と簡単な演算を確認する。

コマンドのパッケージ名や配布先はROCmのリリースによって変わります。古い記事のURLをコピーするより、AMDのインストーラーが指定するコマンドを使うとバージョンの食い違いを防げます。Dockerを使う場合も、ホスト側ドライバーとコンテナイメージの対応関係を先に確認します。

GPU認識の確認

ドライバー導入後は、ターミナルで rocminfo を実行し、出力にR9700のデバイスが現れるか確認します。複数のGPUや内蔵GPUがある環境では、表示されたデバイス名とgfx1201の識別子を見て、推論ソフトがR9700を選んでいるか確認してください。

PyTorch側では、AMDのROCm環境でもCUDA互換の名前空間を使うため、torch.cuda.is_available() で利用可否を確認できます。さらにデバイス名を読み出し、小さなテンソル演算を動かすと、Python環境がCPUだけを認識している状態を見分けられます。ComfyUIやLLMサーバーを起動する前に、この段階の確認を済ませておくと原因を切り分けやすくなります。

Windowsとの違い

AMDはR9700の製品仕様でWindows 10、Windows 11、Linux x86-64をOSサポート欄に挙げています。AIフレームワークの対応状況はOSサポート欄より細かく、Windows用PyTorch表ではR9700が選択対象でも、Linuxと利用できる機能やライブラリの範囲が同じとは限りません。現行のWindows向け対応表には、ROCmの一部コンポーネントだけがサポートされる旨も記載されています。

ROCmのライブラリを広く使う前提なら、公式のLinux向け手順に合わせてUbuntuやRHEL環境を用意する方が、対応表とサンプルを参照しやすくなります。Windowsのまま利用する場合は、個別アプリが対象GPU・ドライバー・バックエンドを公式に対応しているかを確認します。ComfyUIの環境と速度はComfyUI設定の記事、公開されたvLLMの測定条件はLLMベンチマーク記事で紹介しています。

安定運用のポイント

ROCmの更新時は、GPUドライバー、ROCm、PyTorchを同時に無計画で差し替えず、動作している組み合わせを記録してから一つずつ更新します。学習や量子化、推論では使うライブラリが異なり、あるフレームワークの動作実績が別のフレームワークを保証するわけではありません。まずAMDの互換性表と、各アプリの対応GPU一覧の両方を見るのが近道です。

R9700は32GB VRAMを備え、ローカル推論やComfyUIなどメモリを多く使うアプリの選択肢になります。実行したいモデルがどの程度の容量を使うかは32GB VRAMの目安で、長いモデルを複数カードへ分けるケースは二枚構成の記事で確認できます。

更新時のバージョン管理

ROCmの更新によってGPUの対応機種や対応OSが追加・変更されることがあります。セットアップが安定した時点で、Linuxディストリビューションのポイント版、カーネル、GPUドライバー、ROCm、PyTorch、利用アプリの版を記録します。更新後に推論が止まった場合、以前の動作構成と比べて変更箇所を限定できます。

新しいROCmが公開されたときは、リリースノートでR9700の対応と既知の問題を確認し、PyTorchのインストール表にある版と組み合わせます。モデルが読み込めても、使いたい拡張や量子化カーネルの一部が未対応ならアプリ側で動かない場合があります。実運用を始める前に、普段使う推論コマンドやComfyUIのノードまで含めて動作を確認します。環境を決めてからモデル容量を選ぶ場合は32GB VRAMの使い方も合わせてご覧ください。