RX 9070 XTでWindowsのローカルAI環境を作るなら、2026年10月に公開されたROCm 10.1の構成が基準になります。最初にそろえるのはGPUに対応するWindows版、AMDの専用ドライバー、ROCm本体の3点です。この記事ではAMDの公開資料を基に、作業の順番と、GPUを正しく認識できたか判断する方法を整理します。

RX 9070 XTとROCm 10.1の対応条件

AMDの製品仕様では、RX 9070 XTは16GBのGDDR6を搭載するRDNA 4世代のカードです。ROCm 10.1の互換性表では、RX 9000シリーズの対象に含まれ、RX 9070 XTのLLVMターゲットはgfx1201です。WindowsでROCm 10.1を利用する場合、表に挙がるOSはWindows 11 25H2、Adrenalinドライバーは26.10.41.05です。

AMDの専用ドライバーのリリースノートにはWindows 10とWindows 11の広い範囲が書かれています。一方、ROCm 10.1のRadeon向け互換性表はWindows 11 25H2を示します。ドライバーのインストール対象と、ROCm一式を利用する検証済み環境の区別が導入時の要点です。手元のWindowsが25H2なら、AMDの互換性表と同じ条件から始められます。

導入するものと順番

最初にAMDがROCm 10.1用として公開したAdrenalinドライバー26.10.41.05を入れます。続いてROCm 10.1公式インストールページでAMD Radeon、RX 9070 XT、Windowsを指定し、計算用途に合う導入方式を選びます。AMDはWindows向けにPythonの仮想環境へ入れるpip方式と、自己完結したtarball方式を案内しています。PyTorchなどPython中心ならpip方式、独立した開発環境を配置したいならtarball方式が目的に合います。

この順番が必要なのは、ドライバーがWindowsからGPUを扱う層で、ROCmが計算ライブラリとランタイムの層だからです。さらに画像生成やLLMには、ComfyUIやllama.cppなど用途別のアプリが要ります。ドライバー、ROCm、アプリを同じ「インストール」の一語でまとめると、どの層で問題が起きたか追いにくくなります。版を記録してから一層ずつ入れると、動作確認を段階的に進められます。

段階 導入するもの 確認する点
OS Windows 11 25H2 ROCm 10.1互換性表のOS条件
GPUドライバー ROCm 10.1用Adrenalin 26.10.41.05 AMDリリースノートの版
計算基盤 ROCm 10.1 RX 9070 XT・gfx1201の選択
アプリ 使うAIアプリと対応モデル アプリのバックエンドとモデル形式

GPU認識と計算の切り分け

導入後は、使うアプリがRX 9070 XTを計算デバイスとして列挙するかを見ます。AMDのllama.cpp向け手順は、デバイス一覧を表示してGPU名と利用可能メモリを確認し、その後に短いモデル実行で実際の計算を確かめる流れです。デバイス名が見える段階と、モデルの生成がGPU上で進む段階は別の確認項目です。

RX 9070 XTには16GBのVRAMがありますが、デバイス一覧に表示される空き容量は画面表示やほかのアプリが使う分だけ少なくなります。AMDのllama.cpp手順にも、RX 9070 XTが約16GBのデバイスとして見え、空き容量がそれより少ない例が載っています。モデルの重みが16GBぎりぎりなら、文脈を保持するKVキャッシュや計算用領域の余裕も考慮して小さい量子化版から始めると、GPU内に収めやすくなります。

Windowsにはディスプレイドライバー由来のHIPライブラリと、ROCm側のライブラリが並ぶことがあります。AMDのllama.cpp資料は、Windowsが読み込むDLLの優先順位と、実行ファイルの近くに必要なライブラリを置く方法を説明しています。エラーが出た場合は、入れ直しを繰り返すより、どの版のランタイムをアプリが読み込んだかを先に調べる方が原因に近づけます。

導入後に使うアプリの選択

ROCmの導入が完了したら、画像生成ならComfyUI、Pythonでの開発ならPyTorch、GGUF形式のLLMならllama.cppなど、目的からアプリを選びます。それぞれが使うROCm版やインストール方式は別です。たとえばGUIでLLMを動かすアプリは独自のランタイムを同梱することがあり、システムに入れたROCm 10.1がそのまま使用されるとは限りません。アプリの画面またはログに表示されるバックエンド名で実際の経路を判断できます。

RX 9070 XTはゲーム用カードでもあるため、利用者によってはゲーム向けドライバーとの運用も気になるはずです。今回AMDが示したのはROCm 10.1用の専用パッケージです。GPU計算に使う版を決めたら、その版で必要なAIアプリの対応を確かめたうえで環境を固定すると、後から結果を再現しやすくなります。

まとめ

RX 9070 XTのWindows版ROCm 10.1環境は、Windows 11 25H2、専用ドライバー26.10.41.05、ROCm本体、用途別アプリの順にそろえます。GPU名の表示に加え、短いモデル実行まで通れば導入の状態を具体的に判断できます。画像生成を始めるならComfyUIの記事、LLMならOllamaやllama.cppの記事から次の作業へ進めます。