1999年発売の『Grand Theft Auto 2』を、現代のGPUでパストレーシング表示したい人向けに、コミュニティ製の「GTA2 RTX Remix」が公開されました。作者のgebdagは、旧作の描画をRTX Remixが読み取れる形式へ変える専用レンダラーを配布しています。この記事では、追加される描画機能と動作条件を、作者の公開リポジトリと最新版のリリースノートで確認します。

GTA2 RTX Remixの公開内容

作者は9月25日にv0.7.1を公開しました。Tom’s Hardwareも9月26日にこの改造版を報じています。v0.7.1では、オープニングムービーの再生時にゲームがクラッシュする問題が修正されました。配布物はGTA2用のDirect3D 9レンダラーで、NVIDIAのRTX Remix実行環境と組み合わせて使います。

改造版の特徴は、GTA2の古い描画経路をDirect3D 9に置き換え、RTX Remixが街の形状や光源を扱えるようにした点です。NVIDIAの互換性資料によると、RTX Remixは主に固定機能パイプラインを使うDirectX 8・9世代のゲームを対象にしています。さらに古い描画方式のゲームでは、Direct3D 9へ橋渡しする処理が必要です。今回の専用レンダラーは、GTA2でその橋渡しを担います。

作者の資料では、ゲーム本来の光源に加え、爆発、火災、銃撃などの出来事から光源を生成すると説明されています。RTX Remix側がその光を使ってパストレーシング処理を行う構成です。光を放つテクスチャも一部用意され、街の看板や火の見え方を変えるための材料になります。光源情報を描画へ渡す仕組みが、今回の改造の中心です。

画面表示と時間帯の変更点

作者は16:9表示への対応も挙げています。画面の左右端で車や歩行者が突然現れたり消えたりする現象も改善しました。古いゲームをワイド画面で使う場合、表示領域だけを広げると周辺の物体の出現処理が追いつかないことがあります。今回の変更は、画角の拡張と周辺オブジェクトの表示をセットで調整するものです。

昼夜の動的な変化にはRemix Plusが必要です。作者のv0.7.1リリースノートは、昼夜の動的な変化を「Remix Plusのみ」と明記しています。NVIDIA標準のRTX Remixでもパストレーシング表示は可能です。v0.7.1ではRemix Plus 1.5.1のx86ゲーム向け配布物が推奨され、ほかの版ではメニューやHUDが正しく表示されない場合があると案内されています。

ゲーム内のF4キーで照明や時間帯を調整する設定パネルを開けます。Remix Plusでは、同じ街の時間帯を変え、光や影の変化を見比べられます。

フレーム生成による60fps表記

公開資料は、フレーム生成を使った60fps表示を案内しています。フレーム生成は描画したフレームの間を補う機能です。作者はGPU別・解像度別の実測値を公開していません。

実際の描画速度は、解像度やRTX Remixの設定によって変わります。GPU別の実測値がないため、特定の構成で60fpsになるかは判断できません。NVIDIAのRTX Remix製品ページも、パストレーシングとDLSSを組み合わせる改造環境として同ツールを案内しています。

導入に必要な環境

作者が動作確認したゲーム本体はGTA2 v9.6です。対応OSは64ビット版のWindows 10または11で、GTA2 RTX Remixの配布ファイルとは別にRTX Remixの実行環境を用意します。GPUについてはNVIDIAのRTX Remix動作要件がRTX対応GPUを最低条件として挙げています。

v0.7.1の導入手順では、GTA2フォルダー内のd3ddll.dllとDmavideo.dllを先にバックアップし、改造版を展開して同名ファイルを置き換えます。その後gta2.exeを起動します。更新時には古い改造版のファイルも置き換えるよう作者が案内しています。削除方法や不具合時の詳細は、配布ZIP内のgta2dx9_README.txtにまとめられています。

インストール時に元ファイルを保管する手順は、元の描画環境へ戻すためにも役立ちます。ゲーム本体のv9.6と指定された実行環境を揃えると、作者が公開した条件で試せます。

まとめ

GTA2 RTX Remixは、GTA2をDirect3D 9経由でRTX Remixへ接続し、パストレーシング、光源の追加、16:9表示を実現するコミュニティ製改造版です。昼夜の変化にはRemix Plusが必要で、60fpsの案内はフレーム生成を利用する場合の表記です。作者が確認したGTA2 v9.6とWindows環境を基準に、最新版の配布ページで導入条件を確認できます。

パストレーシング向けGPUを探している方は、RTX 4070 SUPERのレイトレーシング性能を整理した記事も続けてご覧ください。