GeForce GTX 1070は、1,920基のCUDAコア、8GB VRAM、Pascal世代のNVENCを備え、H.264やHEVCを使うフルHD動画編集なら2026年でも利用できます。書き出し品質と対応形式はPascal世代の仕様で、AV1のハードウェアエンコードには対応しません。

所有中のカードを一般的な編集や動画変換へ使うのは現実的です。AV1納品、重いAI処理、複雑な4K編集、今後のソフト更新まで見込んで新規購入する用途には、より新しいGPUが適します。

記事画像にはNVIDIAのGTX 1070公式素材を使用しています。

動画編集に関係する仕様

項目 GTX 1070
CUDAコア 1,920基
VRAM 8GB GDDR5
メモリバス 256bit
ハードウェアエンコーダー Pascal世代NVENC
代表的なエンコード H.264、HEVC
AV1ハードウェアエンコード 非対応

CUDAコアは、対応する編集ソフトのエフェクト、色処理、拡大縮小などに利用されます。8GB VRAMは複数フレームや素材をGPU上へ置く余裕になります。デコード、音声、合成、ファイル入出力は、CPU、システムメモリ、ストレージの性能にも左右されます。

NVENCは動画を圧縮する専用ハードウェアです。NVIDIAのNVENC解説によると、グラフィックス・CUDAコアとは独立して動作し、エンコードを任せることでCPUと描画コアを別の処理へ使えます。ゲーム録画と編集書き出しの両方で利点があります。

H.264とHEVCの書き出し

NVIDIAのFFmpeg案内は、対応GPUでH.264とHEVCのハードウェアエンコードを利用できると説明しています。FFmpegだけでなく、NVENCを実装した編集・配信ソフトでも同じ専用回路を使います。

重要なのは、ソフト側でエンコーダーを「NVIDIA NVENC」「ハードウェア」などへ明示的に設定することです。書き出し画面でソフトウェアエンコードが選ばれていれば、GTX 1070を搭載していてもCPUで処理されます。対応名称はアプリとバージョンによって異なります。

NVENCは高速な書き出しに向きますが、同じビットレートにおける画質はエンコーダー世代、プリセット、素材で変わります。Pascal世代の結果を最新世代NVENCと同一視せず、短い代表区間を書き出して、細部、動きの多い場面、ファイル容量を比較します。

AV1と新しい制作環境

GTX 1070のNVENCはAV1をエンコードできません。NVIDIAの現行NVENC資料では、AV1ハードウェアエンコードはAda世代以降が対応対象です。ソフトウェアAV1エンコードはCPUで行えますが、処理時間が長くなる場合があります。

AV1での配信や納品を日常的に行うなら、対応GPUへ更新する理由になります。一方、納品先がH.264を指定し、編集内容がカット、字幕、軽い色調整を中心とするなら、AV1非対応だけでGTX 1070が使えなくなるわけではありません。

入力素材のデコード対応も別に考えます。カメラやスマートフォンの高ビット深度・色差形式は、コーデック名が同じでもGPUでデコードできないことがあります。タイムラインが重い場合、エンコード性能ではなく入力のデコードやエフェクトが原因かもしれません。

フルHDと4Kの適性

フルHDのH.264素材を数本重ねる程度なら、GTX 1070の8GBを活用できます。タイムラインの滑らかさはCPUとストレージにも左右されるため、GPU交換前に各部の使用率を確認します。GPU使用率が低くCPUが上限なら、GPUだけを新しくしても改善は限定的です。

4K編集では、解像度だけでなく素材のコーデック、ビット深度、フレームレート、エフェクト数が負荷を決めます。再生が重いときは、編集用に軽いプロキシを作り、プレビュー解像度を下げ、最終書き出しだけ元素材を参照します。これにより所有中のGTX 1070を延命できます。

ノイズ除去、被写体認識、生成系処理など新しいAI機能には、Tensorコアや新しいCUDA機能を要件とする製品があります。GTX 1070にはTensorコアがないため、利用したい機能ごとにソフトの動作要件を確認してください。

動画編集向けの設定確認

編集ソフトでGPUアクセラレーションを有効にし、書き出しではNVENCを選びます。数分のテスト素材で、再生のフレーム落ち、VRAM使用量、書き出し時間、画質を確認します。ドライバーを変更した直後は、同じプロジェクトを短く書き出して異常がないか見ます。

発熱が高い場合は、プレビューfpsや同時処理数を抑え、ケースの吸排気とファン状態を点検します。動画書き出しは長時間負荷が続くため、短いベンチマークで正常でも、冷却不足が後から表れることがあります。

2026年の買い替え目安

NVIDIAはPascal向けGame Ready更新を2025年10月で終え、重要なセキュリティ更新を2028年10月まで提供する方針です。現在の編集環境を固定して使う間は動作しても、将来のアプリ更新でGPU要件から外れる可能性を考慮します。

H.264・HEVC中心のフルHD編集なら継続利用、AV1エンコード、新しいAI機能、重い4K制作、長期サポートが必要なら更新、という分け方が実用的です。カードの発熱管理はGTX 1070の消費電力・温度解説、更新候補との世代差はRTX 3050 8GBとの比較で確認できます。