GeForce GTX 1070とGeForce RTX 3050 8GBは、ベンチマークの総合点が近く、中古GPU選びで比較される組み合わせです。しかし、GTX 1070は2016年のPascal、RTX 3050は2022年のAmpereで、対応機能とドライバーの扱いが大きく異なります。
従来描画の平均性能だけならGTX 1070が競る場面はあります。2026年に新たに選ぶなら、DLSS、レイトレーシング、現行のGame Readyドライバーを利用できるRTX 3050 8GBの方が扱いやすい、というのが結論です。ただし、価格差が大きい場合は、さらに新しいGPUを含めて比較します。
記事画像にはNVIDIAのGTX 1070公式素材を使用しています。
主要仕様の比較
| 項目 | GTX 1070 | RTX 3050 8GB |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | Pascal | Ampere |
| 登場年 | 2016年 | 2022年 |
| CUDAコア | 1,920基 | 2,560基 |
| VRAM | 8GB GDDR5 | 8GB GDDR6 |
| メモリバス | 256bit | 128bit |
| カード電力 | 150W | 130W |
| 専用RTコア | なし | 第2世代 |
| Tensorコア | なし | 第3世代 |
| DLSS | 非対応 | 対応 |
| NVENC | Pascal世代 | 第7世代 |
NVIDIAのRTX 3050公式仕様には8GB版と6GB版が掲載されています。本記事で比べるのは、2,560 CUDAコア、130W、補助電源8ピンの8GB版です。6GB版は2,304コア、96bit、70Wで別の構成なので、商品名にある容量を確認してください。
CUDAコア数は同じ世代の製品を比べる目安であり、世代が違うGPUの性能比にはそのまま使えません。メモリもGTX 1070は広い256bitのGDDR5、RTX 3050は128bitのGDDR6で、規格と速度が異なります。
従来描画のゲーム性能
PassMarkの比較データでは、総合G3DスコアはGTX 1070がRTX 3050 8GBをやや上回る水準です。DirectX 11の個別テストもGTX 1070が上ですが、DirectX 12の個別テストではRTX 3050が上回ります。
この結果は、GTX 1070の従来描画性能が現在でも低くないことを示します。同時に、APIや負荷によって順位が変わることも示しています。PassMarkは多数の利用者の結果を集計する合成テストであり、個別ゲームの差は画質、CPU、APIによって変わります。
古いDirectX 11ゲームをフルHDで遊ぶだけなら、所有中のGTX 1070からRTX 3050へ交換しても、平均fpsの差を感じにくい可能性があります。最新のDirectX 12ゲームや、後述するアップスケーリングを使う環境ではRTX 3050が有利です。
DLSSとレイトレーシング
RTX 3050は第2世代RTコアと第3世代Tensorコアを搭載し、ハードウェアレイトレーシングとDLSSへ対応します。GTX 1070には専用コアがなく、DLSSも使えません。
RTX 3050もレイトレーシングを最高設定で余裕を持って動かすGPUではありません。DLSSと画質設定を組み合わせ、負荷を抑えて使う製品です。それでも、対応ゲームで選択肢そのものがある点はGTX 1070との明確な差になります。
GTX 1070では、対応ゲームならFSRやXeSSなどGPUメーカーを限定しないアップスケーリングを利用できます。ゲームごとに対応方式と画質が異なり、DLSSはRTX 3050だけが利用できます。
消費電力と電源条件
基準となるカード電力はGTX 1070が150W、RTX 3050 8GBが130Wです。ただし、RTX 3050のNVIDIA公式ページが示す推奨システム電源は550Wで、これはCore i9-10900Kを使った基準構成です。GTX 1070の公式ガイドは500W以上と1本の8ピン補助電源を要件としています。
推奨電源の数字だけを比べて、RTX 3050の方が電力を多く使うとは判断できません。組み合わせるCPU、カードメーカーの電力設定、電源ユニットの品質と経年状態を確認します。どちらにも8ピン1本のモデルがありますが、GTX 1070の高クロック製品には6ピンと8ピンを両方使う製品もあります。
ドライバーと製品寿命
NVIDIAはGTX 1070を含むPascal世代について、Game Readyドライバーの最適化を2025年10月で終了しました。重要なセキュリティ項目の更新は2028年10月まで提供する予定です。既存ゲームが直ちに動かなくなる変更ではないものの、新作向け最適化や通常の不具合修正は対象外です。
RTX 3050は2026年時点でGame Readyドライバーの対象です。この差は、新作を長く遊ぶPCほど重要になります。中古カード本体の年齢もGTX 1070の方が長く、冷却ファン、グリス、映像端子の消耗リスクがあります。
用途別の選び方
すでにGTX 1070を持ち、フルHDの既存ゲームが目標fpsで動くなら、そのまま使う方が経済的です。RTX 3050への交換理由が従来描画のfpsだけなら、費用に対する伸びが小さくなる可能性があります。
新作ゲーム、DLSS、レイトレーシング、対応期間を重視するならRTX 3050 8GBが優先です。ただし新品価格が高い場合は、同じ予算で買える現行世代の製品とも比較します。6GB版RTX 3050は仕様が違うため、8GB版のベンチマークを流用できません。
安価な中古GTX 1070を選ぶ場合は、動作確認と短期保証を重視します。中古GTX 1070の相場と確認項目とPascalのドライバーサポートも、購入前に確認してください。
