Intel Arcの新しいドライバーで、手元のゲームはどこまで変わるのでしょうか。Intelは10月12日付のリリースノートで、Windows向けグラフィックスドライバー「32.0.101.9150 WHQL」を公開しました。今回の更新には、対応ストアでゲームの読み込みを速めるAdvanced Shader Deliveryと、GPU別のゲーム性能改善が含まれます。対象と測定条件を分けて読むと、更新で得られる利点がはっきりします。
32.0.101.9150の更新内容
Intelの配布ページによると、今回のパッケージはArc Bシリーズ、Arc Aシリーズ、Arc内蔵のCore Ultra向けです。Windows 11とWindows 10 22H2に対応し、WHQL認証を受けています。バージョン番号は32.0.101.9150。10月上旬の9034からの更新として、ゲーム対応、シェーダー配信、複数の不具合修正が並びました。
「Game On」対応として追加された作品は『Call of Duty: Modern Warfare 4』と『Planet Zoo 2』です。Intelはこの2作品について、Arc B・Aシリーズの単体GPUとArc内蔵Core Ultraを対象に挙げています。ゲーム別の性能改善値は、リリースノートに別項目として掲載されました。
Advanced Shader Deliveryの対象
IntelはMicrosoftのAdvanced Shader Deliveryに新たに対応したと案内しています。対象はArc Bシリーズの単体GPU、Core Ultra Series 3の内蔵Arc、そして一部のCore Ultra Series 2搭載ノートPCです。対応ストアで配信されるゲームの読み込み時間を改善する仕組みです。
デスクトップ向けArc B580とArc B570はBシリーズに入ります。一方、Arc Aシリーズもドライバーパッケージ全体の対応製品ですが、今回のAdvanced Shader Delivery新規対応対象としては列挙されていません。ドライバーがインストールできる製品群と、新機能を利用できる製品群には差があります。対応作品を購入する人にとっては、ストア側の配信対応も効果の条件です。
GPU別のゲーム性能改善
もっとも大きな改善率として目を引くのは『Resident Evil Requiem』の最大31%です。これはCore Ultra Series 2の内蔵Arcを使い、旧ドライバー32.0.101.9034と比べたIntelの測定値。フルHD・中設定で平均fpsが最大31%、高設定で最大29%上がったとしています。PC Gamerも更新内容を確認し、Core Ultra Series 2の結果として紹介しています。
| GPUの区分 | ゲームと設定 | Intel公表の平均fps改善 |
|---|---|---|
| Core Ultra Series 2内蔵Arc | Resident Evil Requiem、フルHD・中 | 最大31% |
| Core Ultra Series 2内蔵Arc | Assassin’s Creed Shadows、フルHD・中 | 最大18% |
| Core Ultra Series 3内蔵Arc | F1 25、フルHD・中 | 最大5% |
| Arc Bシリーズ単体GPU | Avatar: Frontiers of Pandora、WQHD・高 | 最大6% |
| Arc Bシリーズ単体GPU | MONSTER HUNTER RISE、WQHD・高 | 最大6% |
Intelが注記したSeries 2の測定機はCore Ultra 7 258Vを搭載するMSI Claw 8 AI+で、32GBのLPDDR5メモリーを使用しました。Arc Bシリーズの2作品はArc B580 Limited EditionとCore Ultra 9 285Kの組み合わせです。ドライバー以外のハードウェア条件が異なるため、表の改善率同士をGPUの性能差として比べることはできません。各行は同じ機器で旧ドライバーから更新した場合の差を示しています。
修正済みの問題と既知の問題
性能以外の変更もあります。IntelはArc B・Aシリーズなどで『Stormgate』の起動時に画面が真っ暗になる問題を修正済みとして掲載しました。Arc Aシリーズでは、スリープや休止状態から戻った際にマウスポインターが表示されない問題も修正対象です。Core Ultra Series 2の内蔵Arcでは、『Foundation』の起動時クラッシュを修正しています。
リリースノートには未解決の項目も残っています。Arc Aシリーズでは『Monster Hunter Wilds』のプレイ中クラッシュと『Gears of War: E-Day』の想定より低い性能を、既知の問題として挙げました。Arc B・Aシリーズでは『Arena Breakout Infinite』のTerrain Surface Subdivisionをオンにしたときのクラッシュが掲載されています。
導入方法と今回の位置付け
最新版はIntel公式のダウンロードページから入手できます。ノートPCではIntelの汎用ドライバーがメーカー独自の調整を上書きするため、メーカーが配布する版との違いも配布ページに記されています。メーカー固有の機能を利用する機種では、その案内に沿って更新できます。
32.0.101.9150は、Arc Bシリーズへのシェーダー配信対応と、内蔵Arc・単体Arcのゲーム別改善をまとめた更新です。31%の改善値はSeries 2内蔵GPUで『Resident Evil Requiem』をフルHD・中設定で動かした際のIntel測定値です。Arc B580でのWQHD性能を検討中なら、Arc B580のゲーム性能を扱う記事もご覧ください。
