RTX PRO 4500 BlackwellとRTX PRO 4000 Blackwellは、NVIDIAのワークステーション向けGPUです。4500は32GBメモリ、4000は24GB。カードの厚みも4500が2スロット、4000が1スロットと異なります。この記事では、実際にワークロードの容量や筐体の設計を変える差に絞って比較します。

4500と4000の公式仕様

NVIDIAの4500データシートと4000データシートは、いずれもBlackwell世代の仕様を示します。両資料の公称値を揃えて表にしました。

項目 RTX PRO 4500 RTX PRO 4000
CUDAコア 10,496 8,960
GPUメモリ 32GB ECC GDDR7 24GB ECC GDDR7
メモリ帯域幅 896GB/秒 672GB/秒
単精度演算ピーク 51TFLOPS 37TFLOPS
最大ボード電力 200W 145W
カード長 10.5インチ 9.5インチ
厚さ 2スロット 1スロット

4500はメモリが8GB多く、帯域幅が224GB/秒速くなります。容量比は約1.33倍です。差が最もはっきり現れるのは、作業の実使用VRAMが24GBを超え32GB以内に収まる場合。4000ではGPU内へ全データを置けない処理でも、4500では一枚に置ける余地があります。

24GBと32GBの境界

LLMではモデル重みのほかにKVキャッシュや実行バッファを、BlenderではジオメトリやテクスチャをVRAMへ置きます。ファイルサイズやモデル名だけで実使用VRAMは確定しません。同じモデルを扱っても、コンテキスト長やレンダー解像度、同時実行数によって必要量が変わります。

両カードの容量差8GBは、作業が24GBの境界をまたぐときに効きます。ワークロードが16GB程度で完結するなら、容量上の差は処理時間を直接縮めません。その場合はCUDAコア10,496対8,960、帯域幅896対672GB/秒と、ソフト固有の実測性能が比較の中心になります。32GBカードでも作業が32GBを超えれば、さらに大きいGPUやデータ分割が必要です。

電力と搭載スペース

4500の最大200Wに対し、4000は145Wです。55Wの公称差に加え、4000は長さ9.5インチ、シングルスロットの冷却設計です。4500は10.5インチ、デュアルスロット。小型ワークステーションや複数GPUを隣接配置する筐体では、この物理的な違いが仕様上の優先順位を変えます。

両モデルともPCIe CEM5の16ピン補助電源を1基使います。ケースのカード長、隣接スロットの占有、電源ケーブルが曲がる空間を含めた設置条件は別に確認できる値です。4500の国内取扱製品は266.7mmの長さが示されています。4000の9.5インチは約241.3mmで、ブラケットや製造者による差も含めて製品仕様に従う寸法になります。

性能差を実測で見る

Puget Systemsの制作系ベンチマークは、両モデルをBlender、DaVinci Resolve、Unreal Engineで測定しています。ソフトによってGPUコアの使い方が異なるため、仕様表にある51対37TFLOPSの比をそのまま作業時間へ当てはめることはできません。DaVinci Resolveの一部素材処理はCPU側の制約が強く、GPU効果はGPU性能差が出やすいという結果も同記事にあります。

ワークロードが24GB以下なら、実測速度、消費電力、価格の釣り合いが主な比較になります。24GBを超えるなら、まず4500の32GBで全データを保持できるかが焦点です。4000に比べて4500の価格が高くても、その境界を越えられるなら処理方法自体が変わります。

国内掲載価格との対応

PGダイレクトのRTX PRO Blackwell一覧では、2026年9月26日にRTX PRO 4000 Blackwellが423,500円、RTX PRO 4500 Blackwellが843,590円で掲載されていました。差額は420,090円です。容量は24GBから32GBへ8GB増え、電力枠は145Wから200Wへ55W増えます。掲載価格と公称仕様を揃えると、容量が24GB以内に収まる仕事では、追加8GBの利用頻度が導入費用を左右します。

24GBを超える処理では、価格だけでなく、データをGPU内に置けるかが変わります。PugetのBlenderやResolveのスコアはアプリごとの実測であり、価格差420,090円に共通の速度差を当てる数値ではありません。容量、筐体、対象ソフトの三条件が異なるため、二つの価格はそれぞれの構成と対応させて読む必要があります。

二つのモデルの位置付け

RTX PRO 4000は24GBを1スロット、145Wで搭載できるモデルです。RTX PRO 4500は32GBを2スロット、200Wで搭載し、コア数と帯域幅も増やします。容量の具体的な計算はローカルLLMの記事に、4500の実寸はケースサイズの記事にまとめています。