Radeon RX 6750 XTのサイズは、AMD基準で長さ267mm・2スロットです。しかし市販の大型OCモデルは322mm・2.9スロットに達します。ケースに入るかは「RX 6750 XT」というGPU名だけでは判断できず、購入するカードの型番、前面ファンやラジエーター、電源コネクターを含めて測る必要があります。
中古市場では同じGPUを載せた複数メーカーのカードが混在します。先にケース側の上限を実測し、収まる型番だけを候補にすれば、買った後の干渉を避けられます。
AMD基準の267mm・2スロット
AMD公式仕様では、リファレンスカードの長さは267mm、スロット数は2です。これはAMD製基準カードの数字で、パートナー製品の共通寸法ではありません。冷却性能を高めた3連ファンモデルは長く、厚く、高くなる傾向があります。
主な製品の公式値を並べると差が分かります。
| 製品 | 長さ | 高さ | 厚み | スロット表記 | 補助電源 |
|---|---|---|---|---|---|
| AMDリファレンス基準 | 267mm | 公式寸法表記なし | 公式寸法表記なし | 2 | 8ピン+6ピン |
| ASUS ROG Strix OC | 322mm | 141mm | 56.5mm | 2.9 | 8ピン×2 |
| ASRock Phantom Gaming D OC | 305mm | 131mm | 55mm | 2.75 | 8ピン×2 |
| SAPPHIRE NITRO+ OC | 310mm | 130.75mm | 62.19mm | ― | 8ピン×2 |
最短と最長では55mm違います。ROG StrixにはAMD基準より55mm長い空間が必要です。製品名の「RX 6750 XT」より、その後ろに続くROG Strix、Phantom Gaming、NITRO+などの型番まで一致させます。
長さ・高さ・厚みの3方向
ケース適合で見るのはカード長だけではありません。
- 長さ:背面ブラケットからカード先端まで
- 高さ:PCIe端子側からカード上端まで
- 厚み:占有する拡張スロットとクーラーの張り出し
長さ方向では、前面ケースファン、ラジエーター、ポンプやチューブ、ドライブケージが干渉します。高さ方向では、側板と補助電源ケーブルの間に曲げる余白が必要です。厚み方向では、下側のキャプチャーカード、Wi-Fiカード、底面ファン、電源シュラウドとの距離を確認します。
ケースメーカーの「最大GPU長」には、前面ラジエーターなしで記載された値もあります。たとえば最大330mmでも、GPUの進路へ厚さ27mmのラジエーターと25mmファンが追加され、両方を差し引く条件なら有効長は278mmです。ケース説明書の測定基準を優先し、公称値から実装部品の厚みを差し引きます。
ケースを実測する手順
PCを終了し、電源を切ってACケーブルを抜いてから側板を開けます。メジャーは金属部品へ触れて短絡させないよう扱い、不安なら樹脂製定規を使います。
- 背面のGPU固定面から、前面の最初の障害物までを測る
- 前面ファンやラジエーターを残すなら、その最も出っ張る面までで測る
- マザーボードのPCIeスロットから側板内面までの高さを測る
- GPUスロットから下側のカードやシュラウドまでの空間を数える
- 予定カードの長さ・高さ・厚みに、組み付け用の余白を加える
- 補助電源ケーブルの取り回しとファンへの接触がないか確認する
寸法ぴったりの構成では、カードを斜めに入れる作業やケーブル接続の空間を失います。カードをケース開口から差し込めるか、先端が前面フレームを越えられるかも見ます。メーカーが示す公差やコネクター位置が分からないときは、組み付け作業ができる余白を残します。
厚みと下側スロットの注意点
2.75~2.9スロットのカードは、実質的に3スロット分の空間を確保します。GPU直下に拡張カードがあると吸気をふさぐため、物理的に接触しなくても温度と騒音が悪化することがあります。キャプチャーカードを下のPCIeスロットへ移せるか、マザーボードのスロット配線と合わせて確認します。
Micro-ATXやMini-ITXケースでは、底面ファンとGPUの距離が冷却を左右します。ファンを追加しても隙間が極端に狭いと、乱流と騒音が増えます。カードのファン面へ冷たい空気が届き、温まった空気が背面または上面へ抜ける経路を作ります。
縦置きブラケットを使う場合は、側板とGPUファンの間隔、ライザーケーブルのPCIe世代、カードの重量制限を確認します。ガラス側板へファンを近づけすぎる配置は吸気を制限するため、見た目だけで向きを決めないようにします。
重量とGPUのたわみ
大型3連ファンモデルは、カード先端が下がる「GPU sag」が起こりやすくなります。ケースの水平、背面ねじ、PCIeスロットのロックを確認し、必要ならサポートステイを使います。支柱はファンへ触れず、カードの平らで強度がある部分を支える位置へ置きます。
移動時はGPUの重さがスロットへ加わるため、長距離輸送ならカードを外して静電気防止袋と緩衝材で保護します。装着したまま運ぶ場合も、ケースを立てた状態で大きな衝撃を加えないようにします。
補助電源端子はカード上端にあるため、高さ141mmのカードへケーブルの曲げ代が加わります。側板がケーブルを押してコネクターを傾けるなら、無理に閉じず、ケースまたはカードを見直してください。端子別の接続方法は補助電源の記事で確認できます。
記事画像はAMD公式RX 6750 XT製品ページの素材を使用しています。
購入前チェックリスト
- 商品ページの完全な型番を控えたか
- 公式寸法を長さ・高さ・厚みの3方向で確認したか
- 前面ラジエーターとドライブケージを含む有効長を測ったか
- 下側3スロット分と吸気の空間があるか
- 8ピン×2などの電源ケーブルを側板内で曲げられるか
- サポートステイを置く位置があるか
- 中古品ならクーラー交換や別基板でないか写真を確認したか
RX 6750 XTは267mmの基準カードから322mmの大型品まで幅があります。ケースの「GPU対応」表示だけでなく、実物の障害物まで測ることが確実です。電源容量も型番ごとに変わるため、最後に650Wで足りる条件まで確認して組み込み可否を確定しましょう。
