Intel Arc A380AMD Radeon RX 6400は、ともに補助電源なし製品を選べるフルHD向けGPUです。A380は6GB VRAMとAV1エンコード、RX 6400は53Wの低消費電力と1スロット製品を選べる点で差がつきます。

ゲーム性能はタイトルごとに逆転するため、平均fpsだけで一方を万能と決めるのは危険です。仕様、51ゲーム実測、動画機能、ケース条件に分けて比較します。

記事画像にはSPARKLE A380 ELFの公式製品素材を使用しています。

公式仕様の比較

項目 Intel Arc A380 Radeon RX 6400
VRAM 6GB GDDR6 4GB GDDR6
メモリ幅 96bit 64bit
メモリ帯域幅 186GB/s 128GB/s
基準ボード電力 75W 53W
推奨電源の基準 製品により350〜500W 350W
追加電源 不要仕様と8ピン仕様が混在 PCIeスロット給電
AV1 ハードウェア・エンコード/デコード 公式仕様ではデコード非対応
H.264/H.265エンコード 対応 公式仕様では非対応

Intelの基準仕様ではA380が6GB、96bit、186GB/sです。AMDの公式仕様ではRX 6400が4GB、64bit、128GB/sで、Typical Board Powerは53W。メモリ容量と動画機能ではA380、電力の低さではRX 6400が明確に上回ります。

PCI Expressの接続幅にも注意が必要です。A380はPCIe 4.0 x8、RX 6400は実製品でPCIe 4.0 x4を使います。旧世代のPCIe 3.0環境ではリンク帯域が半減するため、どちらもCPUやマザーボードの世代を確認した方が安全です。加えてA380はResizable BARを有効にして使うことが推奨されています。

フルHD実測の傾向

TechSpotの2022年検証はResizable BAR有効の両GPUを51ゲーム、900pと1080pで測定しました。1080pの全体平均ではA380がRX 6400より7%低い結果ですが、タイトルごとの差は大きくなりました。

  • Hitman 3の1080pではA380が60fps弱、RX 6400が34fps
  • The Division 2の1080pではA380が74fpsで、RX 6400を64%上回る
  • Battlefield Vの1080pではA380が10%低い
  • Red Dead Redemption 2の1080pではA380が22%低い
  • 一部タイトルではA380側に起動、クラッシュ、APIの問題があった

この測定はIntelドライバー30.0.101.1743を使った発売初期の記録です。2026年の判断には、遊ぶタイトル、API、ドライバー版を一致させた新しいテストを追加してください。初期測定からは、平均差が小さくてもゲームごとの差が大きいというA380の特性を読み取れます。

6GB VRAMは高解像度テクスチャでA380を助けます。同じ比較のWolfenstein: Youngbloodでは、1080p UltraでA380がRX 6400を36%上回りました。新作を高設定で遊ぶ用途では演算性能も不足するため、両製品より上のクラスが適切です。

動画機能の大差

録画、配信、トランスコードを行うならA380が優位です。Intel公式データシートには、AV1、H.265、H.264のフルハードウェア・エンコードとデコードが明記されています。安価なA380を動画処理専用の追加GPUとして使う選択肢も有力です。

AMDのRX 6400公式ページは、4K H.264デコードとH.265デコードには対応する一方、H.264/H.265エンコードとAV1デコードを非対応としています。ゲーム映像をRX 6400自身でハードウェアエンコードする用途には向きません。CPU内蔵GPUや別GPUへエンコードを任せる構成なら、この差を回避できます。

映像出力の数はカード実装を確認します。A380のGPU自体は最大4画面を扱えますが、ASRock Low ProfileはHDMI 1基とDisplayPort 1基の2画面構成です。接続可能台数は購入カードの端子数が上限になります。

省スペースPCでの差

RX 6400にはロープロファイルかつ1スロットの製品があり、隣接スロットを使えない薄型PCで有利になります。A380の代表的なロープロファイル製品であるASRock A380 LP 6Gは169×69×39mmの2スロットです。SPARKLE ELFは152.6×100×35.7mmで小さいものの、フルハイトの2スロットとなります。

電源面でもRX 6400の53Wが扱いやすく、AMDは350W電源を推奨しています。A380も補助電源不要製品ならPCIeスロットだけで給電できますが、メーカー推奨はSPARKLE ELFが350W、ASRock Low Profileが450Wです。A380には8ピン端子付き製品も混在します。

用途別の選択

A380は、AV1エンコード、6GB VRAM、DisplayPort 2.0、XeSSを重視し、Resizable BAR対応PCを用意できる人に合います。RX 6400は、消費電力、発熱、1スロット・ロープロファイル、Radeon環境を優先する人向けの選択です。

ゲームだけなら、所有PCで遊ぶタイトルの実測と購入価格で決めてください。A380が大幅に安く、対象タイトルの動作が確認できるなら有力です。価格が近く、古いPCや幅1スロットが必須ならRX 6400の方が導入しやすくなります。

まとめ

A380はメモリと動画機能、RX 6400は電力と物理的な収まりやすさが強みです。性能平均だけでなく、対象ゲームとケース条件を先に固定すると選びやすくなります。A380を小型PCへ入れる方はLow Profileの寸法確認補助電源なし製品の違いへ進んでください。