Radeon Pro W7500でSOLIDWORKSを動かすなら、実際のモデルを操作した試験が頼りになります。AMDはこのカードをCADなどの業務向けとして販売しており、W7500の公式仕様は8GB GDDR6、28基のCompute Unit、70Wです。ここでは独立した実機検証から、部品点数、画面解像度、GPUメモリの3つを軸に、使える範囲を整理します。

大規模アセンブリでの実測

DEVELOP3Dのレビューは、1万3000部品からなる望遠鏡のアセンブリをSOLIDWORKSで表示しました。4K解像度でRealViewを有効にした場合、W7500は29fps、上位のW7600は52fpsです。レビューはW7500でもモデルの操作を滑らかに行えたと評価しています。比較は同じモデルと設定で実施されており、数値の差がGPU選択にどう効くかを読み取りやすい結果です。

検証条件 W7500の結果 判断の材料
1万3000部品、4K、RealView 29fps 大規模モデルでも操作できた
同モデルでのGPUメモリ使用量 約7.6GB 8GBの上限に近い
300部品のモデル 約2.4GBを使用 ほかの作業を並行する余地が大きい

29fpsは設計者の手でモデルを回す作業の実測値で、ゲームの平均フレームレートではありません。画面モード、材質、表示解像度、モデル構造が変わると表示負荷も変わります。W7600の52fpsは数値として大きな差ですが、同レビューではこのモデルの操作体験に明確な差を感じなかったと報告しています。

8GBメモリと複数アプリの扱い

大規模モデルで使った約7.6GBは、W7500の8GBにほぼ達します。SOLIDWORKSとレンダリングソフトを同時に開くと、双方がGPUメモリを確保します。DEVELOP3Dは300部品のモデルをSOLIDWORKSで表示しながらVisualizeで描画する試験も行いました。2Kレンダリング時はGPUメモリ約7.7GBに加え、システムメモリ側の共有領域を約3.8GB使用し、アプリ間の切り替えで初期の遅れが出ています。

4Kレンダリングでは共有領域の使用量がさらに増え、操作の応答性が下がりました。大きなCADモデルを表示するだけならW7500で作業できても、設計画面と高解像度レンダリングを同時に進めるなら、VRAM容量を増やす価値があります。同時に動かすアプリと素材のGPUメモリ使用量が、8GBカードの応答性を左右しました。

DEVELOP3Dは、16GBのW7700ではSOLIDWORKSとVisualizeを同時に使う同じ試験で素材をGPUメモリへ収め、操作画面の応答とレンダリング速度が改善したと報告しています。W7500とW7600はともに8GBなので、この同時利用に対しては演算性能の高いW7600へ替えるだけでは容量が増えません。複数アプリを常時開く設計者には、16GB級のカードとの比較が具体的な次の選択肢になります。

CAD表示と可視化の負荷

SOLIDWORKSで部品やアセンブリを編集する作業と、Unreal Engineで光線追跡を使うリアルタイム可視化では、GPUの役割が変わります。DEVELOP3DのUnreal Engineの4K検証では、レイトレーシングを有効にするとモデルが約9GBのGPUメモリを使い、8GBのW7500は2~3fpsでした。設計表示で29fpsを出せた事実と、可視化で厳しい結果になった事実は両立します。

CADとともに建築のウォークスルーや高品質なプレゼン画像まで制作するなら、VRAM容量とレイトレーシング性能を別に評価するべきです。W7500はCADの作業画面を軽い電力で支える構成に向き、重い可視化まで1枚に任せる場合は上位モデルの余裕が効きます。

ワークステーションへの組み込み

W7500はフルハイト、長さ216mm、1スロットのカードです。AMDはPCIeスロット給電の70Wと案内しています。補助電源コネクタを用意せずに済むため、既存のタワー型ワークステーションへ追加しやすい仕様です。DisplayPort 2.1が4基あるので、図面、部品表、参照資料を複数画面に分ける構成にも対応します。

AMDのSOLIDWORKS向け案内はRadeon PROを設計ワークフロー向けに位置付けています。実機の導入では、OS、アプリ版、ドライバーの組み合わせが職場の運用条件になります。W7500の対応OSはWindows 10/11とLinuxですが、SOLIDWORKSの利用環境は通常Windowsが中心です。

まとめ

Radeon Pro W7500は、SOLIDWORKSで1万3000部品のモデルを4K・RealView有効で29fps表示した実測があります。8GBのVRAMはその試験で約7.6GB使われました。CAD表示が中心なら有力な選択肢です。Visualizeの同時利用やレイトレーシングを使う可視化が中心なら、GPUメモリに余裕のある製品を検討すると作業が安定します。筐体への収まりはケースサイズの記事で寸法から確認できます。