Radeon Pro W7500は、4基のDisplayPort 2.1端子を備えたワークステーションGPUです。CAD図面、資料、会議画面、プレビューを別々のディスプレイに置く用途では、端子の数だけでなく同時出力できる解像度が気になるでしょう。AMDの公式資料には4Kまたは5Kの4画面構成と、8Kの2画面構成が掲載されています。
4基のDisplayPort 2.1
AMDの製品ページは映像出力を「4x DP 2.1」と記載しています。HDMI端子をカードに直接備える構成ではありません。4台ともDisplayPort入力のモニターを使うなら、各端子からそれぞれの画面へ接続する形になります。
AMDの製品データシートでは、同時出力の構成例がさらに具体的です。
| AMDが示す構成 | 同時に接続する画面数 |
|---|---|
| 3840×2160(4K) | 4画面 |
| 5120×2880(5K) | 4画面 |
| 7680×4320(8K) | 2画面 |
4基の端子があるからといって、8Kを4台接続できるという仕様ではありません。高解像度ディスプレイを複数置く計画なら、AMDが示した画面数と解像度の組み合わせを基準にできます。4K画面を4台並べる業務用途には、公式資料が直接対応しています。
DP 2.1の転送モードとDSC
W7500のデータシートに記載されたDisplayPort 2.1のモードはUHBR10で、最大総データレートは38.7Gbit/sです。高解像度・高リフレッシュレートの組み合わせを考える際は、W7500側のUHBR10を仕様上の前提とします。38.7Gbit/sは1本のDisplayPort接続における4レーン合計のデータレートです。4端子分を足した速度ではありません。
AMDはDSC(Display Stream Compression)を使用した表示例として8K・120Hzと10K・60Hzを示しています。これは圧縮を使う接続の例であり、上表の「8Kを2画面」という同時出力構成とは別の情報です。対象のディスプレイ、ケーブル、接続経路も希望するモードに対応して初めて、その表示モードを選べます。通常の4K・60Hzの多画面環境を組むなら、極端な高リフレッシュレートの表示例を要件に入れる必要はありません。
国内代理店アスクの製品情報は、1画面の表示モードとして4K DCIの4096×2160・120Hz、6Kの6144×3456・60Hzの非圧縮、8Kの7680×4320・120HzのDSC利用を挙げています。4K DCIは先の4画面構成にある3840×2160の4K UHDより横方向の画素数が多い規格です。高リフレッシュレートの単一画面と、4台同時接続の仕様はそれぞれ別の条件です。映画制作向け4K DCI画面を使う場合は、UHD用の解像度表と取り違えず、モニター側の入力モードに合わせて接続を設計できます。
CADと編集に向く画面の割り当て
4画面の実用例は、主作業の4K画面にCADモデル、二つ目に図面、三つ目に資料、四つ目に会議や進捗表示を置く構成です。動画編集なら、タイムライン、全画面プレビュー、素材管理、連絡ツールを分けられます。4画面の利点は、作業領域を分けて複数の資料を同時に見られる点です。
色を扱う作業では、W7500の製品ページに10-bitと12-bitの表示色出力対応、HDR対応が記載されています。実際の色深度やHDR表示はモニター側の入力、表示モード、OS、編集ソフトの設定が揃って決まります。W7500が必要な信号を出せるかという最初の条件は、AMDの仕様で確認できます。
HDMIディスプレイとの組み合わせ
HDMI入力しかない既存モニターを使う場合、DisplayPortからHDMIへ変換する機器が必要です。変換アダプターやケーブルには対応解像度とリフレッシュレートが決まっているため、4K以上の画面では希望する表示モードに対応した製品を選びます。4画面をすべて変換する構成なら、アダプターごとの仕様が表示環境を左右します。
Puget Systemsの実機レビューも、W7500をDisplayPort 2.1とAV1エンコードを備えた業務用GPUとして評価しています。映像出力の規格は先進的ですが、複数画面で重い3Dシーンを同時に動かすなら描画性能と8GBのGPUメモリも必要です。表示できる画面数と、そこで快適に処理できる作業量は分けて考えると構成を決めやすくなります。
まとめ
Radeon Pro W7500はDisplayPort 2.1を4基搭載し、AMDは4Kまたは5Kの4画面出力を資料に明記しています。8Kは公式資料で2画面構成です。CADや編集の多画面PCを計画するなら、まず使う画面の解像度を決め、端子とケーブルの接続方法を合わせると組みやすくなります。描画作業を含む用途ではW7500の性能記事とCAD用途の記事も参考になります。
