Radeon Pro W7500は、拡張カードを増やしたいワークステーションに適した1スロットGPUです。AMDが公表する寸法は長さ216mm、フルハイト、1スロットです。薄さとカード高は別の条件になります。ケースに収まるかは、長さと高さ、スロット周辺の空間をそれぞれ照合すると判断できます。

Radeon Pro W7500のカード寸法

AMDの製品仕様と製品データシートに、W7500の形状が掲載されています。

項目 W7500の公表値 ケース側で見る場所
カード長 216mm ケースのGPU最大長と前面ファン・ドライブベイ
高さ フルハイト 背面拡張スロットのブラケット高
厚さ 1スロット 隣の拡張カードとの間隔
冷却 アクティブ冷却 吸気と排気の通り道
電源 PCIeスロット給電 マザーボードと電源容量

AMDの「フルハイト」は、通常のデスクトップ用拡張スロットの高さを意味します。高さの低いロープロファイル専用PCには、そのままのブラケットとカード本体を収められません。DEVELOP3Dの実機レビューもW7500をフルハイトの1スロットカードとして紹介しています。省スペース筐体を選ぶなら、外観の小ささより、背面スロットがフルハイトかを先に見ると確実です。

ケース内の216mmと干渉する部品

カード長216mmは、一般的なタワーケースなら扱いやすい寸法です。一方、短いデスクトップ筐体では前面ファン、ラジエーター、ドライブケージがカードの先端と干渉します。ケース仕様の「最大GPU長」が216mm以上でも、前面に部品を取り付けた状態での実際の空間は短くなる設計があります。ケースの説明書にある搭載条件を、使う前面部品の構成に合わせて読む必要があります。

W7500の冷却方式はAMDの仕様上「Active」です。1スロットに収まるファン付きのカードで、空気の入口と出口を塞ぐと冷却に不利になります。隣の拡張カードを物理的に装着できても、長時間のCAD表示や動画書き出しで高負荷をかける構成なら、ケースファンの風が流れる配置を選びたいところです。

1スロット設計が役立つ構成

業務用PCでは、ネットワークカード、キャプチャーカード、ストレージ拡張カードをGPUと並べる場合があります。W7500の1スロット設計なら、2~3スロット厚のGPUより隣の拡張スロットを確保しやすくなります。特に、PCIeスロット数が限られるmicroATXケースや小型タワーでは、厚さの差が拡張性に直結します。

比較対象のW7600のAMD公式仕様も1スロットですが、長さは241mmです。W7500の方が25mm短く、前面部品との間に余地を残しやすい構成になります。W7600は6ピン補助電源も使うため、カード上の配線スペースまで必要です。W7500にはその配線がなく、電源ケーブルをカードへ引き回さずに搭載できます。

拡張スロットと背面端子の位置

国内代理店アスクの仕様は、W7500の接続を「PCI Express 4.0 x8、形状はx16」と説明しています。カードの端子部分はx16の長さなので、ケース内のPCIeスロット周辺にカードを挿せる空間が必要です。データ通信に使うレーンは8本です。マザーボードの拡張スロットの形状と、CPUやほかのカードを載せたときに利用できるレーン構成を合わせると、増設位置を決められます。

背面ブラケットにはDisplayPort 2.1端子が4基並びます。4画面用のケーブルを差す場合、ケース背面にも端子を操作できる空間が必要です。机の下や壁際にPCを置く構成では、背面ケーブルの曲がりと排気口を確保しておくと、カードの薄さを活かしやすくなります。フルハイトの1スロットカードは、マザーボード上の周辺部品、ブラケット位置、背面配線まで含めて寸法を見れば搭載可否を決められます。

電源とマザーボードの条件

W7500のボード電力は70Wで、AMDは外部補助電源を不要としています。ただし、GPU以外のCPUやストレージにも電力が必要です。AMDの現行製品ページに示された推奨電源容量の最小値は450W。電源の容量が足りるフルハイトPCなら、追加のPCIe電源コネクタがなくても導入しやすいカードです。

マザーボードとの接続はPCIe 4.0 x8です。物理的なカードの挿入位置、利用可能なスロットの長さ、ほかの拡張カードとの位置関係を確定すると、搭載できるかが分かります。ケースサイズだけで搭載を決めず、背面スロットの高さとカードの周辺空間まで仕様から合わせるのが実用的です。

まとめ

Radeon Pro W7500の寸法は長さ216mm、フルハイト、1スロットです。小型タワーでもフルハイトの拡張スロットと216mm以上の実装空間があれば候補になり、ロープロファイル専用PCには合いません。購入候補を絞ったら70Wと電源条件の記事で電源周りを、W7600との比較記事で長さの違いを確認できます。