Arc Pro B60をケースへ収める際の寸法は、ボードメーカーの製品型番で決まります。ASRock CreatorとSPARKLE Blowerはどちらも24GBのB60ですが、長さは18mm違います。カード本体の寸法に、電源ケーブルと空気の通り道を加えて考えます。

実売2製品の寸法

ASRock Arc Pro B60 Creator 24GBは271×112×39mm、2スロット占有、重量1118gです。同社は電源ケーブルの挿入のため、長さ方向にさらに30mmの空間を推奨しています。この注記をそのまま使うと、カード本体271mmに対して長さ方向で約301mmを見込む構成です。ケース内部の実際の障害物の位置は製品によって違うため、この数字を型番ごとの設計条件として扱います。

SPARKLE Arc Pro B60 24GB Blowerは289×120×42mm、2スロット占有、重量1056gと記載されています。ASRockより長さが18mm、高さが8mm、厚さが3mm大きい寸法です。40mm前後の厚さが同じ「2スロット」表記でも、隣接スロットのカードやケースの補強部材との距離に影響します。Blowerは排気方式もCreatorと異なるため、前方からの吸気経路を確保する位置が重要です。

製品 長さ 高さ 厚さ 占有スロット
ASRock Creator 24GB 271mm 112mm 39mm 2
SPARKLE Blower 24GB 289mm 120mm 42mm 2

ケース側で使う数値

ケースの「対応GPU長」は、内部の前面ファンやラジエーターを付けた時に短くなる製品があります。B60を設置する場合には、採用するケースと冷却部品の組み合わせで示された実際の空き長さを基準にします。ASRockの推奨する追加30mmは、カード長の表記とは別の電源ケーブル用空間です。SPARKLEの資料には同じ30mmという推奨値がないため、その数値を同製品へ機械的に当てはめません。

高さもケース側の側板までの空間に関わります。PCIeスロットから側板までが狭いケースでは、カード上端やケーブルの突出が問題になります。B60はIntelのGPU仕様でPCIe 5.0 x8接続ですが、実カードは物理的なx16サイズの端子で提供される製品があります。必要なケース空間をPCIeの電気的レーン数から推定することはできません。

2枚構成のスロット間隔

B60を2枚載せる場合は、長さ・厚さに加え、マザーボードのPCIeスロット間隔を確認します。2スロットのカードを2枚装着するだけでも、隣接スロットをふさぐ配置があります。吸気面が次のカードや電源カバーに近いと、冷却に使える空気が変わります。カードが二つの物理スロットへ挿さることと、2枚とも適切に冷却できることは別の条件です。

SPARKLEの資料には24GBの単体Blowerのほか、48GBのDual-GPUボードも登場します。後者のボード寸法は同資料でTBDとされており、289mmを48GB版に流用できません。名称が似た製品を混ぜず、注文する型番でカード長と電源端子を揃えて確認します。

収納例の計算

たとえば前面の機器を取り付けた状態でGPU用の実空間が300mmというケースを仮定します。ASRock Creatorの本体長271mmなら、カード後端からの差は29mmです。ASRockが勧めるケーブル用の追加30mmには1mm届きません。カード自体は収まっても、同社が示す推奨余裕まで確保した構成にはなりません。空き長さが320mmなら、本体から49mmの余裕となり、その推奨値を超えます。

同じ300mmの空間にSPARKLE Blowerの289mmを入れると、長さ方向の残りは11mmです。SPARKLEの資料にケーブル方向の追加寸法は示されていないので、この11mmだけで接続可否を断定しません。この11mmはカード長から計算した残りで、電源端子と前面ファンの位置によってケーブルに使える空間は変わります。

高さ方向では、ASRockの112mmに対してSPARKLEは120mmです。ケースの側板付近にファンや補強材がある場合、この8mmの差が関わります。厚さは39mmと42mmで、どちらも2スロット表記ですが、隣のPCIeカードとの距離は3mm異なります。完成後に冷却が十分かは、カードのファンへ空気が入る方向と、ケース内の排気位置まで含めた配置で決まります。

まとめ

ASRock Creatorは271×112×39mm、SPARKLE Blowerは289×120×42mmで、どちらも2スロットです。ASRock製は電源ケーブルに長さ方向30mmの追加余裕を推奨します。選んだケースの内部空き長さとスロット配置を、この具体的なカード寸法に合わせるのが確実です。必要電力と8ピンの配線は電源記事で扱います。