Intel Arc Pro B70をBlenderのレンダリング用に選ぶなら、32GB VRAMを使えるか、CyclesのGPU処理がどの程度速いかを見たいところです。B70はoneAPI経由でCyclesのGPUレンダリングに対応します。複雑なシーンをカード上に置ける容量が長所で、純粋な描画速度は実測で比較できます。
CyclesのoneAPI設定
Blender 5.2の公式マニュアルは、Intel Arc A・BシリーズをoneAPI対応GPUに挙げています。B70はIntelの製品仕様でXe2アーキテクチャのArc Pro製品です。WindowsとLinuxの両方でoneAPIを使用できます。
設定はBlenderの「編集」から「プリファレンス」「システム」を開き、CyclesのレンダーデバイスでoneAPIを選択します。表示されたB70にチェックを入れ、シーン側のレンダーエンジンをCycles、デバイスをGPU演算に切り替えます。ビューに画像が出るだけではCyclesがB70で走っているとは判断できません。実際にレンダーを開始し、GPUの使用率とVRAM使用量を確認してください。
Blenderの公式案内は、対応するIntelドライバーとLinuxのLevel Zeroランタイムも示しています。新しいB70ではカードに対応したドライバーを使い、GPUが一覧に出ない場合は先にドライバーとランタイムを確認します。レンダーソフトの版とドライバーの組み合わせは、ベンチマークを比較する際にも揃えます。
Blender 4.5の実測値
StorageReviewのBlender 4.5.0テストは、Blender Benchmarkの3シーンでB70を測りました。スコアの単位は1分間あたりのサンプル数で、大きいほどレンダー処理が進む指標です。
| Blender Benchmarkのシーン | Arc Pro B70のスコア |
|---|---|
| Monster | 1,524.6 samples/min |
| Junkshop | 846.87 samples/min |
| Classroom | 912.24 samples/min |
シーンによってスコアに差があるため、1つの数値をあらゆる作品のレンダー時間へ置き換えることはできません。Puget Systemsの別テストでは、B70がArc Pro B50の2倍超、Radeon AI PRO R9700を9%上回りました。PugetはBlender 5.0.0を使用しており、StorageReviewの4.5.0の表と数値を混ぜてランキング化しないのが正確です。
32GB VRAMを生かすシーン
Intelの仕様では、B70は32GBのGDDR6を搭載します。大きなテクスチャ、密なジオメトリ、複数の素材を含むシーンでは、レンダーに必要なデータをGPU上へ載せる余地が増えます。BlenderがデータをPCのRAMへ移したり、GPUで処理できない構成になったりすると、レンダーの待ち時間が変わります。
レンダーを連続して行う場合は、テスト用シーンを数分だけ回す測定に加え、長いジョブでの温度と速度も見ておくと運用を考えやすくなります。
必要VRAMはポリゴン数だけでは決まりません。たとえば同じ形状でも、素材に高解像度の画像を何枚使うか、複製をどう配置するかで占有量が変わります。Blenderで普段使う重いシーンを開き、レンダー開始時と途中の最大VRAM使用量を確認すると、16GBや24GBから32GBへ増やす意味がはっきりします。
一方、常に10GB前後で収まるシーンなら、余った容量はレンダーを速くしません。その場合は同じBlender版・同じシーンで、GPUの演算性能と購入価格を比べて選ぶ方が合理的です。B70はゲーム専用GPUより制作用の容量を重視する設計であり、仕事のシーンがその容量を使うかが軸になります。
冷却と長時間の作業
レンダリングはGPUを長時間使います。国内流通のASRock Creatorはブロワー式ファンと2スロット構成です。ケース前面からの吸気、隣の拡張カードとの距離、排気の通り道が温度と騒音に関わります。長い連続レンダーを行うPCなら、B70のケース寸法も確認してください。
BlenderでGPUレンダーとAI画像生成を兼用するなら、それぞれの作業時にモデルやシーンが占めるメモリを測ります。同時起動で32GBを共有する場合は、個別実行時の使用量を足した値がカードの容量に収まるかを確認すると、作業中の切り替えを計画できます。
まとめ
Arc Pro B70はBlender CyclesのoneAPI GPUレンダリングに対応します。StorageReviewのBlender 4.5テストでは3シーンで約847~1,525 samples/minでした。32GB VRAMは巨大なシーンを載せるときに効き、余裕がある小規模シーンでは描画速度と価格を優先して比較できます。動画制作も行う方は、AV1と編集ソフトの実測も見てください。
