Arc Pro B70をPCに入れるとき、電源は何Wを用意し、どの補助電源ケーブルをつなげばよいのでしょうか。答えは「GPUの230Wだけで電源容量を決めず、購入するカードの端子を確認する」です。Intelの公式仕様はB70のTotal Board Powerを230Wとし、参照仕様の補助電源を8ピンと記載します。一方、国内で販売されるASRock Creator 32GBは12V-2x6端子です。実際のカード名を見ずに8ピンのケーブルだけを準備すると接続できません。

TBP 230WとPC全体の消費電力

TBP 230WはGPUボードの電力仕様です。CPU、マザーボード、メモリ、ストレージ、ファンにも電力が要ります。例えばGPUを230W、CPUを125W、その他を60Wと仮定すれば、合計は415Wです。この数値は具体的なPCの実測ではなく、電源選定の考え方を示す計算例です。CPUの電力制限や周辺機器が変われば合計も変わります。

電源ユニットは定格ぎりぎりで使う前提にせず、継続負荷と一時的な変動に余裕を持たせます。上の415Wという仮定なら650Wクラスを検討する余地がありますが、これはIntelやASRockが全構成に対して650Wを保証するという意味ではありません。消費電力の大きいCPUや複数GPUを使うなら、CPUとGPUそれぞれの仕様から計算し直してください。手元のPCを増設する場合は、現在の構成での壁コンセント側の測定値と、電源ユニットの定格も参考になります。測定値には電源の変換損失も含まれるため、部品のTBPの合計と同じ数値にはなりません。現在の電源が何Wかだけでなく、必要な補助電源端子を備えているかも重要です。完成済みPCでは電源ユニットの定格表とCPUの電力設定を確認すると、見積もりを現実の構成に近づけられます。GPUのTBPだけを定格から引く方法では、CPUやファンが高負荷のときの余裕を計算できません。

Intel参照仕様とASRock製品の端子差

Intelの仕様表はB70の参照カードについて8ピン補助電源を示しています。しかしASRockのArc Pro B70 Creator製品ページでは12V-2x6電源コネクターを採用し、2本のPCIe 8ピンから変換するケーブルを同梱します。両者は矛盾ではなく、参照設計とメーカー製品の違いです。ドスパラの販売ページで購入対象の品番まで確認すれば、必要なケーブルを取り違えにくくなります。

電源ユニットにそのGPU用のネイティブケーブルが用意されている場合は、電源メーカーが指定する対応ケーブルを使います。付属変換ケーブルを使うなら、ASRockが求めるPCIe 8ピンを2口確保し、電源ユニット側も対応する配線でつなぎます。モジュラー式の電源ユニットでは、その製品に適合する純正またはメーカー指定のケーブルを使います。本体側のピン配列は製品ごとに異なり、見た目が似た別製品用のケーブルは互換性を判断できません。電源を買い替える場合は、GPUに必要な口数を電源ユニットの仕様表で確認すると追加アダプターの有無まで決められます。

配線時の確認順

最初に電源ユニットの型番と付属ケーブル一覧を確認します。次にGPU箱の同梱物と、12V-2x6または変換アダプターの接続手順を見ます。作業中は電源を切り、コネクターが奥まで差さっているかを確認してください。プラグ付近に強い曲げを作らず、ケーブルの向きに余裕を持たせます。ASRockはカード本体の長さ271mmに加え、電源ケーブル用に30mmの空間を推奨しています。したがって、ケース選びは電源容量だけでは終わりません。

PCケースの公称GPU長が300mmだと、271mmのカード本体は入る計算でも、ケーブル側の余裕を含めた301mmに届きません。前面ファンやラジエーターの出っ張りがあれば実際の空間はさらに狭くなります。ケーブルを無理に押し込む前に、ケース寸法の確認手順を使って測るのが確実です。

2枚構成の電力計算

B70を2枚使う場合、GPUのTBPだけを足しても230W×2=460Wです。ここにCPUや他の部品を加え、両方のカードに必要なコネクターを確保します。1枚の計算例で用いたCPU 125Wとその他60Wをそのまま使っても、合計は645Wです。この場合は650Wの電源を余裕ありとは扱えず、上位の定格を選ぶ計算になります。マザーボードのPCIeスロット間隔や冷却にも制約があります。「32GBを2枚で64GBにする」目的なら、電源の増強費用まで含めて1枚構成と比較してください。詳細は2枚構成の記事で説明します。

まとめ

Arc Pro B70の公式TBPは230Wですが、必要な電源容量はPC全体で決まります。ASRock Creatorの端子は12V-2x6で、付属ケーブルはPCIe 8ピン2本からの変換です。電源の型番、端子数、ケース内の配線空間を実際の購入品に合わせて確認しましょう。