W7800の出力端子と画面数

Radeon PRO W7800で複数の高解像度ディスプレイを接続したいなら、端子の数と各画面の解像度を分けて確認します。AMDの製品仕様では、標準サイズのDisplayPort 2.1を3基、強化版Mini DisplayPort 2.1を1基搭載。最大4画面の構成として、4K DCI相当の4096×2160を4台、各120Hzで表示する例を挙げています。この4台構成にはDSCを使用します。

AMDが示す構成例 台数 条件
4096×2160、120Hz 4台 DSC使用
6144×3456、12bit HDR、60Hz 2台 非圧縮
7680×4320、12bit HDR、60Hz 1台 非圧縮
12288×6912、120Hz 1台 DSC使用

表の「4K」は一般的な3840×2160より横方向が広い4096×2160です。AMDが示す4台同時接続の例は4096×2160、120Hz、DSCの組み合わせ。AMDの6K・8K例は、表に示した台数とリフレッシュレートで読みます。設計席で使う画面を組み合わせる際は、AMDの構成例と実際のモニターの入力仕様を照合します。

DisplayPort 2.1とDSC

DisplayPort 2.1は高帯域の映像出力規格です。GPUの端子表記だけでモニター側の対応帯域やケーブルの能力まで決まりません。高解像度と高リフレッシュレートを同時に使う場合、モニターの対応モード、接続ケーブル、DSCの有無が表示モードを左右します。AMDが4台の4K DCI 120Hzに「with DSC」と記すのは、その組み合わせに圧縮伝送を使うためです。一方、同社の8K 60Hz例は非圧縮と明記されています。

Mini DisplayPortは端子の物理サイズが小さい規格です。W7800の4つ目の出力へ標準サイズのDisplayPort入力を持つモニターをつなぐ場合、Mini DisplayPortからDisplayPortへの適合するケーブルを使います。変換ケーブルやアダプターを含む接続経路全体で、使いたい解像度とリフレッシュレートに対応するものを選びます。4画面を使うだけなら、それぞれの物理端子へ1台ずつ接続する構成が分かりやすいでしょう。

製品仕様と実装差

パソコンSHOPアークのAMD純正W7800も、DisplayPort 2.1を3基、Mini DisplayPort 2.1を1基、最大4画面と記載しています。販売店の仕様はAMD純正カードの端子を具体的に確認する根拠になります。パートナー製カードの端子配置は、AMDのGPUが持つ表示能力と同じとは限らず、購入するカードの製品ページで現物の端子構成を確定します。GIGABYTEのW7800 AI TOP 32Gのような派生製品を選ぶ場合も、型番単位の仕様を採用します。

W7800はAMD公式で10bitと12bitの表示カラー出力にも対応します。色深度を活かすにはディスプレイ、接続方式、OSと制作ソフトの設定も対応している必要があります。GPUの出力能力だけでは画面全体の色管理は完成しません。映像制作用のモニターを増設するなら、各画面で必要な解像度、Hz、HDRと色深度を先に整理すると接続構成が決まります。

接続構成の組み立て例

たとえば3台の4K作業用モニターに加え、1台のプレビュー用モニターを置くなら、W7800の標準DisplayPort 3基とMini DisplayPort 1基を使う構成が考えられます。4台とも4096×2160、120Hzを狙う場合はAMDが示すDSC利用の条件に入ります。解像度やHzが混在する環境は、各モニターが実際に要求する転送帯域と入力仕様に従います。

4つの端子があるので、画面のためにMSTハブを前提にする必要はありません。設置場所の都合でハブや長いケーブルを使う場合は、その機器の対応解像度とHzが追加の制約になります。とくに強化版Mini DisplayPort端子へ変換を挟む運用では、GPU、変換器、ケーブル、モニターを一つの接続経路として選びます。先に使う画面の型番を決めると、必要なケーブルの種類も確定します。

AMDはW7800の表示機能として12bitのカラー出力とHDR対応も記載しています。色評価用モニターを追加するなら、解像度やリフレッシュレートのほかに、必要な色深度を接続条件へ含めます。たとえばAMDが示す6Kの12bit HDR 60Hzは2台の非圧縮構成です。4画面構成では各モニターの解像度、色深度、Hzを並べ、AMDが示す4台の4K DCI構成を基準に出力モードを選びます。

4画面ワークステーションのまとめ

AMD純正W7800は3基のDisplayPort 2.1と1基の強化版Mini DisplayPort 2.1から最大4画面を出力します。4台を4096×2160、120Hzで使う公式例はDSCが条件です。設計や編集の作業領域を広げる用途では、モニター側の入力とケーブルを合わせれば、この4端子構成を活用できます。組み込み時にはカード長280mm、2スロット、260Wという筐体・電源条件もあります。PC全体の構成はW7800の電源記事で詳しく扱います。