W7800の電源条件

Radeon PRO W7800を既存PCへ増設するなら、AMDの公式仕様にある三つの数字を起点にします。ボード電力は260W、補助電源はPCIe 8ピン×2、推奨最小電源容量は700Wです。260Wはグラフィックカードの電力設計を示し、700WはPC全体に使う電源ユニットの推奨値です。用途の異なる二つのW数を同じ意味で扱うと、電源選びを誤ります。

項目 AMDのW7800仕様
総ボード電力 260W
補助電源端子 8ピン×2
推奨最小PSU 700W
カード長 280mm
厚さ 2スロット
接続バス PCIe 4.0 x16

パソコンSHOPアークの純正カード仕様も260W、8ピン2基、推奨700W、長さ280mm、2スロットと記載しています。メーカーと販売店の仕様が一致するため、AMD純正カードを組み込む際の基礎条件として扱えます。製品ごとに冷却器や外装が異なるパートナーカードは、その型番の寸法と端子を採用します。

700Wという推奨値の読み方

700WはW7800を載せたシステムに対するAMDの最低推奨です。PC全体ではCPU、ストレージ、ファン、マザーボードなども電力を使います。例えばGPUの260Wだけを見て300W級のPSUを選ぶと、PC全体の動作に必要な容量を確保できません。高消費電力のワークステーションCPUを組み合わせるなら、CPU側の最大電力と周辺機器を加えた構成で余裕を見積もります。

電源ユニットの定格は、PCへ供給できる直流側の能力を示します。PC全体の電力が増える構成では、700Wぎりぎりの設計を避けると、負荷変動や後日の増設に対応しやすくなります。W7800を複数枚搭載するならカード分だけボード電力を加算し、PSUだけでなくマザーボードのスロット間隔とケース内の通風も再設計する必要があります。

8ピン2基と配線

W7800の補助電源は8ピンが二つです。電源ユニットの仕様表でPCIe補助電源用の8ピン端子を2口使えるかを確認します。CPU用のEPS 8ピンとは用途と配線が異なるため、PCIe用ケーブルを使います。電源ユニットに付属する指定ケーブルの範囲で組み、モジュラー電源の他社ケーブルを流用しない構成が安全です。電源を買い替える場合、ワット数だけでなく利用可能なPCIe端子数が選定条件になります。

カード長280mmは本体のみの寸法です。ケースのメーカーが示すGPU最大長には前面ファンやラジエーターの厚みが影響します。また、カードの先端側に補助電源ケーブルを接続する空間も必要です。アークはAMD純正品の外形を280×112×41mmとしているので、ケース内でカード本体と配線の両方が収まるかを測れます。2スロットの厚みの周囲にも、ブロワーファンが吸気できる空間を確保します。

構成別の容量の考え方

PSU容量はGPUの260WにCPUや周辺機器の消費電力を加えて選びます。700Wの推奨値に対して、CPUが高い電力を使うワークステーションなら、CPUの公称最大電力と追加カード、ストレージ、ファンの構成を合計してPSUを選びます。たとえば拡張カードや多数のドライブを載せるPCでは、GPU以外の消費も増えます。W7800を一枚しか使わない小規模構成と、複数GPUを詰める構成とでは必要な電源容量が変わります。

補助電源の8ピンが二つあるかに加え、各ケーブルがカードのコネクタへ無理なく届くかも組み込み条件です。ケーブルを急角度で折り曲げる配置なら、ケース内の配線経路を変えるか、カードに十分な余裕のある筐体を選びます。W7800の純正カードは2スロットのブロワー形状で、背面側に排気口があります。複数のPCIeカードを並べると吸気側が狭くなるため、隣接スロットの空間も配置図へ含めます。

電源ユニットを交換せずに済むかが予算を大きく変えます。すでに700W以上、PCIe 8ピン2基、280mmの搭載余地が揃うPCなら、増設対象はカード本体に絞られます。いずれかを満たさないPCでは、PSUやケースの費用をW7800の価格へ加えて見積もる方が、購入後の追加費用を避けられます。カードを買う前にPCの電源型番とケースの有効GPU長を記録しておくと、必要な部品が明確になります。

AMDはW7800の接続バスをPCIe 4.0 x16とし、PCIe 3.0との後方互換性も明記しています。既存マザーボードで使う場合は、電源のほかにx16スロットと周辺の空きを確認できます。PCIe 3.0で動かす構成では接続帯域が新しいバスより狭くなりますが、アプリへの影響はCPUとGPU間のデータ移動量で変わります。電源交換とマザーボード交換の要否を別々に判断できる仕様です。

組み込み前の結論

既存の700W以上の電源にPCIe 8ピン2口があり、ケースが280mmの2スロットカードを収められるなら、AMDが示す基本条件に沿った構成です。CPUや追加カードの消費電力が大きいPCでは、PC全体の電力を上乗せして容量を決めます。電源条件を固めたら、DisplayPort 2.1の出力端子と接続する画面の組み合わせも設計できます。カードの価格と在庫は別記事の2026年10月時点の調査を参照してください。